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「稲田さんは首相が『出るな』と言えば引く」

 首相官邸関係者は「稲田さんは首相が『出るな』と言えば引く。2人はそういう関係だ」と語っている(毎日新聞7月16日)。

©︎文藝春秋

 この記事は「稲田氏、揺らぐ足元 女性政策注力 保守派が距離」

《リベラル色のある女性政策に注力するなど活動の幅を広げるが、保守政治家としての活動が長かっただけに、保守派議員から「ついていけない」と距離を置く動きが出始めた。》

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 女性や性的少数派の地位向上運動に取り組んだら「保守派が距離」というのもすごいが、どうやら政策の違いだけではないらしい。

 同僚議員に対して「稲田は説明不足だったことを認めた」(産経新聞7月10日)という。説明不足だけは「ポスト安倍」なのだろうか。ちなみにこの記事の見出しは「突破力期待も仲間不在」

「女子」コスプレの可能性

 さてここまで稲田氏の「女性代表」的な振る舞いに疑問を呈してきた。

 しかし「国防女子」のような稲田氏の「女子」発信について、そんなに真正面から考えない方がよいのかもしれない。もしかしたら「女子」コスプレの可能性もあるからだ。

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 稲田氏のメガネを思い出してほしい。あれは地元の福井県鯖江市のメガネをアピールするためにつけている。しかも「だて」である。

「視力も1・5と2・0なんですが、(だてメガネで)福井のメガネを発信して」(デイリースポーツ2015年11月14日)

 稲田氏はだてメガネと同じように「女子」を身に着け、アピールしているのではないか。

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 例えば、昔から今も「訛り」が売りの政治家がよくいる。政治家の過剰な訛りは油断と親しみを発生させる武器にもなるからだろう。

 同じように稲田朋美氏の「女子」発信にも似たような狙いがあるのではないか。

 本当に女性代表として振舞うべき言動をしているのか精査が必要だ。政治家としての本質の見極めも含めて。

 それは過剰な訛りを売りにするおじさん政治家に対し「本当にそこまで訛っているのか」と疑惑の目を持って見るのと同じくらい大切なことである。