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「#タクシーハラスメント」を掲げたSNS上での抗議活動も

 しかしながら、私たちがこうした悪意に対して「無抵抗」の姿勢を貫きつづけていても、事態が好転することはほとんど期待できないでしょう。

「セクシャルハラスメント、職務放棄などの侮蔑的言動を乗客にすれば、あとで問題になる」ことをタクシー会社や運転手に知らせないかぎり、いつまで経っても彼らの認識を変えることはできないはずです。

 今、SNSやネット上では「#タクシーハラスメント」というハッシュタグが拡散され、タクシーハラスメント被害への共感の声や体験談が多く上がっています。

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©iStock.com

 そうした機運に乗じて、8月3日には「タクシードライバーによる女性客へのタメ口をはじめとした言動の改善」を求める署名活動も開始されました。

「誰もが安心してタクシーを利用できる社会の実現」へ

 当該キャンペーンは、一部のタクシードライバーによる乗客への侮辱的言動について、各タクシー会社、及びタクシーセンター、運輸局などのタクシー関連組織が対策を講じ、その具体的内容を明文化し公表することを目的としたもの。

 集まった署名は各タクシー会社だけでなく、管轄権を持つ運輸局やタクシーセンターなど関係機関に向け、公開質問状とともに提出されるとのことです。

 これらの活動はタクシー業界との対立を望んだものではなく、協同して「誰もが安心してタクシーを利用できる社会の実現」を目指すものであり、署名は「どれくらいの人数が賛同しているのか」「顧客への対応を見直すことでどの程度の利用率アップが見込めるか」などを考える際の、「判断材料」となるものです。

 運転手から侮蔑的言動を受けた個人が、タクシーの適正な運用のために設立された各地のタクシーセンターやタクシー会社へ直接問い合わせをすることは非常に有効な手段です。しかし、その効果をより強く、持続的なものにするためには、こうした署名活動やSNS上で声を上げることも積極的に進めていくことが必要不可欠だと考えられます。