「そして父になる」を見ながら号泣した
——日本では、梨泰院クラスは韓国版「半沢直樹」という評価があります。監督は「半沢直樹」をご覧になりましたか? ほかに記憶に残る日本のドラマや映画があったら教えてください。
「『半沢直樹』ってすごいドラマですよね。私もとても面白く拝見しましたが、日本の国民的なドラマと比較されるなんて光栄です(笑)。韓国では、90年代の日本文化開放の時期に、映画『Love Letter』(岩井俊二監督)がとても愛されました。その後、私も日本のドラマにハマっていた時期があります。数年前に是枝裕和監督の『そして父になる』を見ながら号泣した記憶があります。感情をまるでレンガを積み上げるように、一つ一つ潔く描く是枝監督の演出を見ながら、たくさんのことを学びました」
——「梨泰院クラス」が日本人にも愛される理由は、どこにあると思いますか?
「『梨泰院クラス』は、馴染みのある復讐劇であり、ヒーロー物です。このような普遍的な素材のおかげで、ネットフリックスを通して日本だけではなく、アジアでも良い反応があったのだと思います。特に日本でたくさん愛されている点は、私も不思議に思っています。
セロイというユニークで格好いいキャラクター、セロイとイソの愛の行方は、既存の韓流ドラマが好きな日本の女性層にアピールしたと思います。さらに、セロイとタンバムの仲間とのチームワークが、『半沢直樹』のようなヒーローが繰り広げる復讐劇を好む男性視聴者からも、いい反応を引き出すことができたのでしょう。おかげで、今のような大きな愛を受けたのではないでしょうか。もちろん新型コロナの影響で(外出できず)、ネットフリックスを楽しんでいる日本の視聴者が増えたこともありますね」
「豊かな文化の川こそが政治的・歴史的な葛藤を乗り越える手段」
——次回作を準備中だと聞きました。どんなドラマになりそうですか?
「まだ公開できる段階ではないですが、かなり実験的な作品になりそうです。またネットフリックスで楽しめるドラマになります(笑)」
——最後に、日本の「梨泰院クラス」ファンにメッセージはありますか?
「『梨泰院クラス』を愛してくださった日本の方々に心から感謝を申し上げます。最初から海外マーケットを狙って製作したわけではないのですが、韓国内だけでなく日本でもこれだけいい反響を得られたことは、製作チームにとっては大きなやりがいであり、次の作品を手がける原動力になります。
いち早くコロナが克服されて、韓日間でもっとたくさんの文化の交流がなされることを祈ります。豊かな文化の川こそが、両国間の政治的・歴史的な葛藤を乗り越えられる手段になると信じています。元気で幸せな日々をお過ごしください」
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