——ヒロインのキム・ダミさんや、セロイの初恋の相手、オ・スアを演じたクォン・ナラさんについては、いかがでしたか?
「キム・ダミさんは、実際の姿も率直でしっかりしていて魅力が溢れていますが、演技する時の集中力、そして表現力がとても高い役者さんです。同じ年頃の韓国女優の中で、誰よりもイソをうまく表現できる役者さんだと思いました。
クォン・ナラさんは優秀なフィジカルに表情が豊かで、信念と思いやりを強く持つ俳優です。オ・スアという役柄は、セロイが好きだけど彼のところに行けない状況の下で、内面の演技が必要です。演技は容易ではなかったと思いますが、うまく演じてくれて本当に感謝しています。2人が演じるイソとスアはそれぞれ違う魅力を持っていて、おかげで放送中には、セロイの恋の行方について視聴者から高い関心と大変な反響をいただきました」
最後の2週間は「生放送のような状態で撮影」
--韓国ドラマの場合、製作と放送が同時進行の場合も多いと聞きます。「梨泰院クラス」の場合は、製作期間はどのくらいかかりましたか? 終盤は放送しながらの撮影が続いていたのでしょうか?
「全体の撮影期間は7カ月ほどかかりました。ドラマ放送開始まで事前に5カ月の製作期間があったにもかかわらず、最後の2週間は生放送のように大変でした。撮影の後半期間は、新型コロナウイルスの影響で、撮影はより厳しくなりました。しかし、それまでに培われたチームワークと視聴者からの良い反応のおかげで、俳優とスタッフたちは最後まで精一杯頑張ってくれました。この場を借りて、苦労した彼らにもう一度感謝したいと思います」
——ドラマのサントラが日本でも大人気です。サントラについて、音楽監督とは、どんな相談をされたのですか?
「僕は重要なシーンを撮る時は、いつも音楽を考えながら 演出をするスタイルなので、音楽監督とよく相談をする方です。サントラにある主要なメロディや歌詞だけでなく、その回ごとの音楽のポイントについても、たくさん話し合ってから決めます。
たとえば、セロイの走るシーンが多いのですが、そのシーンに使える力の湧く楽しい音楽を注文して、誕生したのがメガヒットした『Start』という曲です。『Diamond』は、芯の強いセロイに似合うタフなメロディや歌詞を注文して誕生した曲です」