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上海出身ジャニオタのリアル「自担は関ジャニ∞の大倉忠義くん、オタ活資金は『その時ある金、全部』」

『海外オタ女子事情』より

2020/08/19
note

紅白で知ったジャニーズの世界

――となると、ジャニーズとの出会いは?

 2014年、大学1年生の冬に観た、「紅白歌合戦」です。

――紅白歌合戦!? 意外すぎる単語で驚きました。

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 CCTV(中国中央テレビ)で放送されていたんですよね。水樹奈々さん目当てで観ていて、「いい曲だな」と気になったグループが嵐だったんです(笑)。

――へぇ~。じゃあ、最初は関ジャニ∞じゃなくて嵐のファンだったんですね。

 そうなんです! これも少し言いにくいんですが、好きになってからは「bilibili」(中国の動画共有サイト)にアップされていた、中国語訳のファンサブ(※2)がついているバラエティー番組を端から観ていきました。アニメを何年も観ていたらいつのまにか日本語もだいたい聞き取れるようになっていたので、字幕なしでもなんとか。

※2 ファンサブ:fan subtitle。海外のファンによりつけられた非公式の翻訳による字幕。字幕をつけた作品、字幕をつける行為自体を指すこともある。

©iStock.com

――さらっと言いましたけど、「いつのまにか」でそこまでわかるようになっているのはすごいですよね。

 そうですか? 音声と一緒にファンサブの字幕を観ていたらなんとなく覚えてましたね。アニメ好きな友達も周りに多かったので「今から日本語しゃべってみようか」と遊ぶこともありました。それが練習になっていたかも(笑)。

――その頃、中国でオタクはどんなポジションだったんでしょう?

 わりとポピュラーな趣味でしたよ。「特別な一部の人の趣味」って感じではなく、男子も女子もみんな何かしら観ていたような気がします。私はアニメから声優さんにも興味がだんだん広がっていったタイプですね。今は小野賢章さんが好きなので、小野さんが出ている作品を中心に観ています。『文豪ストレイドッグス』が一番好きです。

――声優オタでもある、手広い! ジャニーズは嵐から入って、関ジャニ∞を好きになったんですか?

 そのあいだにKinKi Kidsです。嵐を知った翌年、「ジャニーズカウントダウン」のスペシャル番組で、堂本光一さんが「アンダルシアに憧れて」という曲の歌詞にめっちゃツッコんでるのを観て、それがすごく面白くて(笑)。初めて日本に来たのは2017年、KinKi Kidsのアリーナツアーでした。

©文藝春秋

――結構最近なんですね。初めての日本、どうでしたか?

 その時は1人で日本に来て、4日くらい滞在したんですけど全然旅行って感じじゃなかったです。日本のお店はなんだか高そうなイメージがあったのと、日本在住の友達に代理で取ってもらったチケットを郵送で送ってもらっていたので、ホテルに待機していなくちゃというのもあって。不安で、滞在中コンビニしか行かなかったです(笑)。