バラエティ番組やSNSにも強い千葉雄大
アラサーブレイク俳優は演技の面だけでなく、バラエティ番組での対応やSNSの活用も上手い。千葉雄大も最近になって、その魅力が開花してきた。20代の頃は可愛すぎる容姿に悩むこともあったというが、いまでは“あざと男子”の異名をほしいままにしている。
2019年に上梓した写真集「彩り」(ワニブックス)の発売記念イベントで、記者からの「30歳で可愛いってどうですか?」という質問に「呼吸のごとくできるようになりましたね」とコメント。最近では田中みな実(33)とテレビ朝日アナウンサー・弘中綾香(29)がMCを務める番組「あざとくて何が悪いの?」(テレビ朝日系)に出演し、“あざと男子”代表として毒舌を披露し、スタジオを盛り上げていた。
2020年4月に放送されたドラマ「いいね!光源氏くん」(NHK)では、現代にタイムスリップした“天然プレイボーイ”光源氏役を可愛く、コミカルに演じきっている。最近では女性誌「CREA」9・10月合併号(文藝春秋)に初エッセイを寄稿するなど、活躍の場を着実に広げているのだ。
彼らはみんな、思うようにいかない日々のなかで、芸能界での自分の立ち位置を深く考えてきたのだろう。自分の魅力、欠点、実力、周囲からの評価をこれでもかというくらいよく理解しているから、変に格好をつけることがない。若い頃から人気作の主演に抜擢され続けてきた俳優とは、また違った人間の深みを湛えているのだ。
アラサーブレイク俳優が蒔き続けてきた種
賀来賢人しかり、30代でブレイクした俳優らは、長期間にわたる下積みをしながら、自己プロデュースで種を蒔き続けてきた努力の人ばかりだ。傍から見ると彼らはアラサーになって突然ブレイクしたように見えるが、そこに至るまでには20代に抱えた悩みや苦しみ、もがきがある。そうして蒔いた種が少しずつ芽を出し、アラサーになって結実しているのだ。
最初から主演を務めてきた役者たちと違い、アラサーブレイク俳優たちは、種蒔き期間が長い分、一度開花すると、その果実は大きい。しっかりとした下積みも力もあるアラサー俳優が第一線で活躍するのは、ドラマや映画にとって非常に健全な傾向ではないだろうか。