いま、賀来賢人(31)が抜群にいい。
大ヒット中の映画「今日から俺は!!」で、卑怯でキュートな高校生・三橋貴志をエネルギッシュかつおバカ可愛く演じる一方、現在放映中の「半沢直樹」(TBS系)ではバブル世代に反感を抱き、苛立ちや葛藤を見せるプロパー社員の森山雅弘をシリアスに演じるなど、役者として大きな振り幅を見せている。
30歳を過ぎてからの大ブレイク。賀来賢人がここまで“売れた”のは一体なぜなのだろうか——。
思えば賀来賢人は女優・榮倉奈々(32)と結婚するまでは“知る人ぞ知る”俳優だった。2007年に映画「神童」でデビューして以降、ドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)やドラマ「Q10」(日本テレビ系)など、若手俳優が多数出演する学園モノへの出演が続いていたが、作中ではあまり目立たないことが多かった。
当時はお茶の間に名前が浸透しておらず、「ほら、関ジャニ∞の村上くんに似てるあの俳優……誰だっけ?」「ワンオクのTakaに似てる子だよね」「え? はじめしゃちょー似じゃない?」と散々な言われ方をしていた記憶がある。
下積み時代に「○○似」と言われた俳優たち
いま、賀来賢人のように30歳を過ぎてブレイクする俳優が多い。田中圭(36)や千葉雄大(31)、中村倫也(33)、高橋一生(39)など、みんな一様に長い下積み期間を経て主演格に上り詰めている。彼らに共通するのが、その下積み時代に「〇〇似」と言われがちだったことだ。
田中圭は「向井理に似ている」と言われてきたし、千葉雄大を「成田凌と瀬戸康史と見分けがつかない」なんて話す人もたくさんいた。中村倫也はしばらく「小柄な長谷川博己扱い」を受けていたし、高橋一生に至っては宮藤官九郎脚本のドラマ「吾輩は主婦である」(TBS系・2006年)に出演した際に、風貌がクドカンそっくりだったことから「本人か」と途中まで疑われたり、ネット上では「偽クドカン」と言われたりしていたほどだ。
アラサーになってから主演格になる役者はたいてい、下積みがあり、実力もキャリアもある。ただいわゆる「個性派俳優」とは異なり、20代の頃は没個性になりがちだ。