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特集観る将棋、読む将棋

2020/08/21

三段リーグ時代には「実況みたいに楽しく話しながら練習将棋」

 解説の棋士の仕事も、最大9局とハードだ。8月1日には藤森哲也五段が解説者として登場。「藤森語録」というビデオがABEMAビデオで公開されたり、第3回AbemaTVトーナメントの注目解説者だ。

――前回のゲーム用語や麻雀用語、競馬用語を使った解説は話題になり、ABEMA TIMESでは、用語解説の記事まで公開されました。

 藤森 将棋って、とっつきにくいと思っている方もいるでしょうから、僕の解説でその壁を取り払えたらいいなと。ゲームや麻雀に置き換えることで分かりやすく表現しているつもりです。

解説と聞き手の藤森哲也五段(右)と山根ことみ女流二段(左)(筆者撮影)

――面白い解説と評判です。何かネタを用意したりしていますか。

 藤森 用意したこともありましたけれど、そうするとネタをいつ話そうとかそっちに意識がいってしまい、滑らかにしゃべれなくなってしまいました。今は無理せずに話しています。ABEMAの解説を見て面白いと感じて僕のYouTubeに来てくれる方もいて嬉しいですね。今は、藤井棋聖のブームもあって将棋の注目度が高い。将棋人気に貢献できればと思っています。

 

――もともと面白いことを言うのが得意なのですね。

 藤森 三段リーグ時代に実況みたいに楽しく話しながら練習将棋をしていたことがありました(笑)。そのときの感じですかね。何かを面白く伝えるのは好きです。でも、メインは対局者ですから、その人の良さが伝わるようにしています。毎回スタッフの方には、どんな解説をしたらいいか確認。すると「藤森さんの好きなようにやって下さい」と。台本でセリフがかっちり決まっているわけではないから、自分の良さを発揮できます。ABEMAさんで経験を積ませてもらい、解説力が少しはアップしたかなと思っています。

「睡眠はしっかりとってきました」

 続いて8月8日の解説を担当した藤井猛九段。

藤井猛九段

――このお仕事の大変なところはどんなところですか?

 藤井 解説? そんなに大変ではないですよ。オーダーは当日決定で、対戦カードも分からない。だから準備もしていません。生放送のプレッシャーは多少ありますかね。収録ならばうっかり言ってはいけないことを言っても場合によっては切ってもらえるけれど、生放送はそういうわけにいきませんから。

――収録で切ってもらった経験はあるのでしょうか?

 藤井 もちろんないです(笑)。でも、生放送の今日に限って失敗しないよう気を付けます。

――局数が多いのは大変ではないですか?

 藤井 第2回のAbemaTVトーナメントで1日に10局くらい経験したことがあります。さすがに疲れました。今日は最大9局だから大丈夫。睡眠はしっかりとってきました。

 

 この2時間後、藤井九段は「準備していない」にも関わらずスピーディーでノリの良い解説を披露していた。