南端 それはなかったです(笑)。いまの事務所の方が私の歌声を評価してくださって。「自然体の自分でいいんだ」と思ったんです。アイドルネッサンスの時も自分を作っていたわけじゃなくて、そのままの自分が努力している姿を見せてきたので、あの時の自分が一歩踏み出して成長した部分を見てほしいと思いながらやってます。
――ソロとして定期的にライブを行なってきましたが、3月以降は新型コロナ感染拡大の影響から配信ライブにせざるを得ない状況になっています。
南端 普段のライブだったら目の前にお客さんがいて、すぐに反応が返ってくるので、その瞬間を一緒にすごしている感覚になれるんです。だけど、配信ライブだと画面を通した形になるので、一体感を出すことの難しさはあります。工夫しだいで変わっていくと思うので、いまは試行錯誤してるところです。
「弱気になったときはラグビーを見て…」
――ソロになってから趣味のラグビーに関する仕事も増えたと思います。
南端 はい。ソロになってからラグビーのお仕事の話をいただけるようになって。ラジオ番組やイベントに呼ばれたり、ドラマ『ノーサイド・ゲーム』(TBS)に出演させていただきました。そういう面では自由に動けるようになったのかなと思います。グループの時は私自身が「アイドルネッサンスにラグビーってイメージ的にどうなんだろう?」と思っていたので(笑)。
――南端さんが思うラグビーの魅力は?
南端 “強さ”です。ラグビーは見た目もそうですが、心も強くないとできないスポーツなんです。防具をつけずに身ひとつでガタイのいい選手にブツかっていく。その勇気ってすごいじゃないですか。本当にケガが多いスポーツなんですけど、ケガをしないためにも常に全力で鍛えている毎日を考えると、本当に強いなぁと思います。自分に厳しくないと強くなれないスポーツなんです。自分も影響を受けて、弱気になっている時にラグビーを観ると「なんでこんな小さなことに悩んでいたんだろう」と思えるんです。
――『ノーサイド・ゲーム』に出演したことで、もともとの夢だった女優にも近づきました。
南端 はい。小さい頃からの夢だったお芝居はやっぱり楽しかったので、機会があればまたやらせていただきたいです。ドラマの撮影期間はライブができなくて、ファンの方をお待たせしてしまったけど、撮影の中で「自分はこう表現したい」と思ったことが映像ではすごく小さく映って「伝わってこないな」と思ったんです。「表現をもっと研究しなきゃいけない」と考えられるようになったことは、アーティストとしても勉強になりました。
アイドルネッサンスが青春だったんだな
――アーティストとしての目標を教えてください。
南端 たくさんの方に私の歌を聴いてほしいです。歌以外の露出が増えているので、そこで気になった方に曲を聴いてもらいたいなと思ってます。
――いま振り返るとアイドルネッサンスはどんな存在でしたか?
南端 メンバー全員がひとつの目標を見て、必死に努力して、何か成果を得た時に喜べて、挫折した時にはみんなで悩んで。グループで活動している時は必死だったから、そんなことを考える余裕もなかったけど、解散した後にアイドルネッサンスが青春だったんだなと気づきました。
(【前回】「アイドルだけど目が小さいのがコンプレックスだった…」20歳元アイドルの私が抱えた葛藤 へ)
写真=川しまゆうこ