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「あなたの教会で感染者が」ソウル在住記者に突然の通告、即日検査で翌日には…《韓国コロナ”第2波”ルポ》

世界標準狙う“K防疫”ウォーキングスルーPCR検査を受けてきた

2020/08/25
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即日対応→検査25分→翌日昼には結果が

 午後2時32分、指定された時間より少し早く検査所に到着した。保健所の入口を入ると、敷地内に設けられたコンテナボックスの「ウォーキングスルー検査所」が目に入った。

ウォーキングスルー検査場の入り口(筆者撮影)

 入口で防護服を着た案内員から、ビニール手袋や「0545番」という番号札をもらい、隣に用意されている待機所に通された。

 待つこと数分。番号が呼ばれ、受付コーナーに移動すると、まず訪問の理由を尋ねられ、「〇〇教会信徒」と答え、問診票を受け取った。書類には「無症状者」とチェックされていた。この受付で前に座った人は一緒に食事をしたメンバーの中に感染者が発生して、検査所を訪れたようだった。彼は濃厚接触者に分類され、筆者と違って何枚もの書類を渡された。筆者としては、濃厚接触者を区別せず、一緒に集めて検査を待たせていることが少し不安でもあった。

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検査の受付コーナー(筆者撮影)

 ビニール手袋をはめたまま、言われたとおりに問診票を作成した。氏名、性別、住民登録番号(マイナンバー)、住所などを記入し、確認事項では、「集団感染」にチェックして教会名と礼拝時間を記した。問診票記入を終えると,案内人が体温を測り,「36.2度」と記入した。

 また、番号を呼ばれ、受付窓口になっているコンテナボックスに近づいた。小さな窓から検査員に問診書類を渡すと、検査キットや2本の綿棒を渡された。

検査員から渡される検査キットと綿棒(筆者撮影)

「キットに書かれた生年月日と名前が正しいか確認し、この建物の裏側に行って検査してください」

 そう言われて指示通りに進むと、電話ボックスのような小部屋が並んだ検査コーナーがあった。ボックス内には防護服を着た検査員の女性がいて、ボックスから手だけが外に出ている。検査員に指示されるままに、キットのふたを開けて、キットと綿棒を彼女の手に握らせた。

ウォーキングスルー検査の検査コーナー(筆者撮影)

「マスクを下げて口を大きく開けてください。『あー』と声を出してください。はい、終わりました」

「つぎは鼻の中を検査します。少し痛みますが我慢してください。5秒間口で息をしてください。1、2、3、4、5! はい、終わりました」

 喉からの採取に続いて、鼻の奥深いところまで綿棒を突っ込んで採取する検査では思わず涙が出たが、数秒で終わった。

検査方法の案内文(筆者撮影)

 検査員から綿棒を入れたキットを渡され、キットのふたをしっかり閉じて、後ろのテーブルに置かれたクーラーボックスに入れた。ビニール手袋はゴミ箱に捨て、隣に置かれた手指消毒剤で手を消毒してから検査所を出た。