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知られざるカレー大国の味を 届けたい!

「タイ、インド以外で、カレーが日常的に食べられている国を調べていたら、マレーシアにたどり着きました」と教えてくれたのはプレス担当の関根さん。

 多民族国家のマレーシアは、人口の約7パーセントをインド系民族が占めています。彼らの祖先が持ちこんだカレーは、マレーシア人のふだんの食事に欠かせないもので、マレーシアで毎日カレーは当たり前。毎食カレーの人がいても不思議じゃないほどのカレー天国なのです。

 そんなマレーシアで、いちばん人気が「カリアヤム」。現地語で「カリ」はカレー、「アヤム」は鶏肉。つまりチキンカレーです。

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鶏肉はごろっと大ぶり、じゃがいものほくほく食感にも驚き。ココナッツミルクのクリーミーさに、玉ねぎやトマトの甘みがきいている。スパイスはコリアンダーの爽やかさが鼻にふわっと抜ける。

「ビーフルンダン」は、現地ではハレの日に食べるお祝い料理。スパイスやハーブが多種入っていて、香り高いココナッツの実を加えるのが特徴。

レモングラス、ガランガルなどのハーブの香りに、タマリンドの酸味、そして牛肉の旨みが混じり合い、欧風カレーに近いコク深さに。ココナッツは、ミルク、クリーム、実をローストしたものの3種を使用するこだわりで、香りの層も楽しめる。

 そして「マサレマ」は、「マサ」は料理、「レマ」とはココナッツミルクを使ったものという意味で、つまりはココナッツミルクで調理した料理のこと。現地ではカレーというより、スパイスひかえめのスープのような存在。

ひと口めは甘いように感じるが、その後に時間差で感じる唐辛子のホットな辛さが現地の味。甘い&辛いの二重奏が刺激的。

イスラム教徒の方も安心の ハラル認証を取得

 そしてもうひとつ。この3つの味は、無印良品のカレーで初めての「ハラル認証」を得ています。

 ハラルとは、アラビア語で“許された”という意味で、イスラム法上の基準をクリアしている、ということ。

バーコードの右隣にあるマークに注目。審査がかなり厳しいといわれている、マレーシアの国家基準「JAKIM(ジャキム)」の認証を取得。

「ハラル認証を取得するためには、原材料すべてがハラルであること。そして製造の過程もハラルの基準を遵守しなければいけません。そのため、この3つの商品はマレーシアの工場で生産。働く方はみなイスラム教徒の方なので、お祈りの時間を考慮した生産スケジュールにするなど、商品開発チームではさまざまな新しい挑戦をしました」と関根さん。

 味の追求に加え、ハラル化という新しい取り組み。このプロジェクトは、立ち上げから商品化まで、約1年半の期間を要したそうです。

 今やレトルトカレーは、ストック食品ではなく、自宅にいながら世界の味が楽しめる、ハレの日の料理へ。そして、宗教や環境などが違っていても、世界中の人と「これ、おいしいね!」と言い合える、新しい時代の幕開けにワクワクします!

※表記の価格は税込み

無印良品オンラインストア

https://www.muji.com/jp/ja/store

マレーシアごはんの会 
古川 音(ふるかわ おと)

「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもつ。近著は『マレーシア 地元で愛される名物食堂』(ダイヤモンド社)。
オフィシャルサイト http://malaysianfood.org/

写真=古川音(マレーシアごはんの会)

記事提供:CREA WEB