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ホリエモンの切り返しが見事。空気が読めない子どもへの上手な対処法

育てにくい子はこうして伸ばす#2

2017/09/15

genre : ライフ, 教育, 読書

note

 B君ほど突き抜けた質問をする子どもは珍しいかもしれませんが、「子どもは正直だからね〜」と苦笑したくなるような発言に、面くらった経験がある大人は多いのではないでしょうか。それがわが子なら「こら、そんなこと言ったら失礼でしょ!」と叱りたくなるかもしれませんね。子どものこういった発言も面白がって、どう返すか自分を試してみる。大人にはそんな余裕を持ってもらいたいなと思います。

『育てにくい子は、挑発して伸ばす』(中邑賢龍 著)

 それに、彼らは将来、社会を変える一歩をもたらす人材なのかもしれません。

 学校では、自分の考えをしっかり述べなさいと指導されます。ところが、学年が上がるごとに空気を読むようになり、恥ずかしさを理解するようになった多くの子どもたちは、発言を抑えていきます。これは教育の効果かもしれません。その中でどんどん発言を続けるB君のような子どもは空気が読めない子としてクラスの中でも浮いてきます。

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 相手が傷つくような発言は避けるべきで、そういった言動があった時にそのことを説明することは大切です。しかし、思ったことを口に出せるのは場合によっては長所にもなり得ます。硬直した会議を突破するのは彼らの発言であり、研究開発においてはそれがイノベーションに結びつく可能性だってあります。

 B君のような少年のすべてを否定して、本人が「何を言っても怒られるから、いっそしゃべらないでおこう」と発言を封じるような事態につながらないことを願っています。

©iStock.com

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中邑賢龍(東大先端研教授/異才発掘プロジェクト ROCKETディレクター)

中邑賢龍(なかむら・けんりゅう)
1956年、山口県生まれ。東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野教授。異才発掘プロジェクト ROCKET などICT(Information and Communication Technology)を活用した社会問題解決型実践研究を推進。共編著に『タブレットPC・スマホ時代の子どもの教育』(明治図書)など。

育てにくい子は、挑発して伸ばす

中邑 賢龍(著)

文藝春秋
2017年8月10日 発売

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