コロナ禍のさなか、突然の幕引きだった。

 安倍晋三首相は、28日午後5時に開いた記者会見で、体調問題を理由に辞任する意向を明らかにした。24日には、首相としての連続在任期間が歴代最長となったばかりだった。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、永田町では、激務で安倍首相の持病の潰瘍性大腸炎が再発したのではないかと囁かれてきたが、その推察は的中していた。

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28日の会見で辞意を表明した安倍晋三首相 ©AFLO

 安倍首相は会見で、自身の体調問題について「8月上旬に潰瘍性大腸炎の再発が確認された」と語ったうえで、辞任を決断した理由をこう説明した。

「病気と治療を抱え、体力が万全ではないという苦痛の中、大切な政治判断を誤ること、結果を出さないことがあってはならない」

“ポスト安倍”の本命たちは何を語っていた?

 こうなった以上、最大の関心事は、“ポスト安倍”だ。会見でも後任者に関して多くの関連する質問が飛んだが、安倍首相はその場での明確な言及は避けた。

 急転直下始まったポスト安倍レース。その行方に注目が集まっている。

「文藝春秋」は、昨年来、“ポスト安倍”候補にインタビューを行なってきた。その中から、「本命」とされる5人の発言を振り返ってみよう。