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石破「逃げるようなことはしちゃいけない」

 まずは、常にポスト安倍候補ナンバー1とされてきた石破茂元幹事長だ。

 石破氏は、2019年11月号の《石破茂「論理の破綻した憲法改正は許せない」》で、こう語っていた。

石破茂氏 ©文藝春秋

「役職から外れても、まだ私にご支持があることはとても有難いし、大事にしなきゃいけないと思います。国民の期待がある以上、何かの状況が来て、私がやらなきゃいかんということになったら、逃げるようなことはしちゃいけないと思っています。だけど、それは平時ではないかもしれない」

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 この記事の取材時はまだコロナ禍ではなかった。その後、世界的なパンデミックにより「平時」から「有事」になったのは説明するまでもない。石破氏が「私がやらなきゃいかん」と決断する条件は揃っている。

岸田「禅譲路線は間違っている」

 かねてから安倍首相の“意中の人物”とされてきたのが、岸田文雄政調会長である。岸田氏自身も意欲を見せており、2019年11月号のインタビュー《岸田文雄「安倍総理からの『禅譲』はありえない」》でも、「次の総裁選には立たれますね?」との質問に対し、「はい。立ちます」と断言した上で、

「まだまだ力不足ですし、未熟な面もあると思いますが、次の時代を担えるように力を付けたい。そして、安倍総理の時代が終わった後、総裁選挙にぜひ挑戦したいと思っています」

岸田文雄氏 ©文藝春秋

 と語った。さらに、

「総理から私への禅譲という言葉がよく言われますが、制度としてありえません。総裁を目指すなら、総裁選を乗り越えなければならない。戦わなければならない。だから禅譲路線というのは間違っています」

 と強気の姿勢も見せている。その言葉通り、波乱の総裁選が岸田氏を待ちわびている。