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【ポスト安倍を辛口採点 柿崎明二】政権“居抜き”「河野首相×菅官房長官」なら長期政権も 問題は「みこしの乗り方」

2020/08/31

菅義偉 ★4.0 「安定感あるが『ポスト菅』不在」

 石破さんと比較すると、安倍政権の「骨格」を引き継ぎやすいのが菅さんと河野太郎さん。政権の「骨格作り」という最初のハードルを乗り越えることができるため、石破さんと違って、スタートから首相としての執務に専念できます。

 短い準備期間で始めなければならない次の政権の性質を考えると、政治運営をしていく上での安定感は、菅さん、河野さんの二人は一日の長があるでしょう。

菅義偉氏 ©文藝春秋

 ただ、問題点はあります。菅さんは長年にわたって安倍政権を動かしてきた実力者ですが、菅さん本人が「ポスト安倍」になってしまうと、「ポスト菅」が見当たらない。石破さんとも通じる問題ですが、菅さんの参謀役となる、内閣の中枢である官房長官を任せられるような能力のある人物がいないのです。

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 実際に、菅さんが政権を担うとなれば、実務能力の高い菅さん本人が「ポスト安倍」と「ポスト菅」を兼ねる働きをして、カバーしていくこともある程度は可能だとは思いますが、限界はあります。本人がそれだけの実力者であることが、★4の理由です。