初回で田所はメイと同じエリア担当に異動してくる。田所が優秀なエース格だという噂を聞き、メイはライバル意識を燃やすが、暖簾に腕押し状態。田所はあまりに仕事の姿勢がクリーンで、性格も爽やか過ぎるために、主人公と“戦う”ことにならないのだ。主人公と戦えば、そのなかでお互いに理解し合い、尊敬の念が生まれ、やがて恋に落ちていくこともあるだろう。しかし田所はあくまでも優しく、紳士的に振舞う。
胸キュンシーンでも紳士的すぎる田所
それは恋愛シーンでも同様だ。田所は次第にメイへ好意を抱いていくのだが、恋心によってその育ちの良さや紳士さが崩れることはない。メイと医師のデート現場を目撃してもうろたえるだけだし、メイの部屋に出入りするナギサさんが気になっても、2人の様子をこっそり眺めながら「ストーカーみたい」とすぐに反省してしまう。
恋心を自覚した後、田所は真正面からメイに告白する。その誠実さにメイは心が動かされてついに田所の部屋を訪れるが、そこはメイの部屋同様のごみ屋敷状態。そこで田所は涙目&震え声でこう言うのだ。
「こんなヤツから好かれても迷惑ですよね?」
もう一押しでメイと結ばれるところへ来ても、なお溢れるこの当て馬感。美しい“フラれ顔”に庇護欲は湧くが、ヒロインと結ばれる未来は浮かばない。結局、メイは田所の部屋を掃除してもらうために恋敵であるナギサを呼び出し、最終回を前に田所の恋は終わってしまったようだ。
田所はハイスぺゆえに胸キュンシーンや恋愛アクシデントがよく似合うが、絶対にドラマチックな展開にはならない。そしてこんな田所を難なく演じられてしまうのが瀬戸康史なのだ。彼はこういう当て馬役が抜群に似合う。