ポエムを褒めていただけたのは意外でした
——なるほど!
ふせでぃ 本当は小人さんの中に運命の人がいたんじゃないのかなって。急に現れた王子はかっこいいだけでお姫様の気持ちを射止めて。これまでお世話をしてくれた小人さんに「ありがとう、バイバイ」と去っていくなんて最低の女じゃないですか(笑)。
——「《白馬の王子様》神話」への異議ですね。
ふせでぃ 本当にショックだったんですよね。
——徹底してリアリティの世界に生きていますね。今、ひとつ思い当たったのは、ふせでぃ作品はフィクションでありつつ、語り口にドキュメンタリー的な雰囲気を感じるということです。
ふせでぃ でも、ポエムを褒めていただけたのは意外でした。私、国語苦手だったし、長文が読めないし。あ、でも長文が苦手なぶん、ハショる能力はあるのかも?
——マンガの展開にしてもそうですね。編集が上手なんでしょうか。展開が早いのに情感があるし。
担当編集 それはずっと一枚絵のイラストで情報を伝えることをやってきた賜物かもしれないですね。
——ふせでぃ先生のマンガは、マンガをあまり読まない層の人にも読みやすいのではないかと思います。
ふせでぃ 自分が読み手として初級者なので、わかりやすさに徹しているところはあるかも。
担当編集 ぼくは、ふせでぃさんの作品を紹介する時に「言文一致」って説明しているんですよ。現代の「口語体」のマンガなんだと。最近のマンガの中の言葉って、時代が進む中でちょっと実際の口語とズレてる気がするんですよね。でもふせでぃさんの作品はそこがあってる。
ふせでぃ ああ……ふだんのしゃべり言葉、まんまですよね。「なんかごめんね」とか。たぶん「なんか」が多すぎる(笑)。
——「セリフ」だけでなく、コマ運びも含めて口語体、ストリートスタイルなのだと思います。