酔った時の定番は「オレ、ワキ長えから!」
そんな田中には、酔った時にする“鉄板”の話があるという。田中を知る映画関係者が明かす。
「田中さんは飲んで酔いが回ってくると、必ず『オレ、ワキ(脇役)長えから!』と俳優としての下積み時代のことを語り出すんです。たしかに数年前までは、入ってくる仕事は主演というよりも、脇役が多かった。『ぽっと出の役者じゃない』『経験に裏打ちされた技術がある』ということが言いたいんでしょうね。
ただ脇役ではあっても田中さん指名の仕事はとても多く、事務所としてはワキの仕事ぶりも最大限に評価していたんです。それでも、本人は不満や憤りを相当感じていたようです。それである時、田中さん自身が事務所の山本又一朗社長に『主演がやりたい』と直談判したそうです。その時は、田中さんのお母さんの協力もあったそうですね」
事務所「トライストーン・エンタテイメント」には同世代の小栗旬(37)や綾野剛(38)も所属している。彼らが次々にブレイクしていくのを横目に見て、田中も内心忸怩たる思いがあったようだ。田中にとって転機になった作品は、2016年に主演した「おっさんずラブ」。同作は文春オンラインの「自分史上最高ドラマ」アンケートでも断トツの1位に選ばれた。俳優デビューから16年、まさに遅咲きのブレイクだった。
主演映画「ヒノマルソウル」の撮影現場でも……
「田中さんはとにかく気を遣えると現場の評価が高く、入ったばかりの新人スタッフにも優しく接します。公開が延期になっている田中さんの主演映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』の現場では、新人スタッフの緊張をほぐすために『みんなで飲みに行こう』と田中さん自身が声をかけて飲みに出たりしています。酒席でも場を盛り上げようとするタイプなのは確かです。ただ、普段はそれほど酔わない。今回のタクシー泥酔騒動は、それだけ疲れていたのだと思います」(同前)
最近は酒を飲んだ翌日にジムへ行って汗を流すように心がけたり、大きな公園をランニングしたり、自身の体調や体の管理に余念が無いという田中。それでも飲みに行くときは週刊誌対策のためにバッチリ変装して出掛けるという。
「キャップを目深に被ってマスクもしているので、知人が見ても気づかないこともあるくらいの変装ですよ」(同前)
かつて銀座なんかで豪快に酒を飲むのは大物俳優の甲斐性だった。スターもつらい時代なのである。