神奈川県横浜市青葉区に住む小学4年生の女児(9)が誘拐され、2日半に渡り車で連れ回された事件。未成年者誘拐の疑いで現行犯逮捕された東京都葛飾区在住で無職の大竹晃史(あきひと)容疑者(38)の母は「文春オンライン」の取材に息子の「ニート生活」と「家庭内暴力」を告白した。

 無事に保護された女児と容疑者の年齢差は29歳。「オンラインゲーム」が二人を繋ぐ接点だったことに容疑者の母は「児童の誘拐ニュースを見てハラハラしていた」と前から事件がいつ起きてもおかしくない異常な状態だったことを語った。

大竹容疑者 ©️共同通信社

「女児は9月2日午後4時頃に横浜の自宅近くの路上で大竹容疑者に『一緒にゲームをやろう』と車に乗せられ誘拐された。女児は親の使用しなくなったスマートフォンでオンラインゲームをしていたとみられている。大竹容疑者とはオンラインゲームを通じて知り合い、通話機能を使用して女児と連絡を取っていたようだ。警察は5日未明に葛飾の自宅から車で出かけようとした大竹容疑者を逮捕。押収された容疑者の車内からは、女児の身に着けていた靴やキックボードも見つかり、無理やり連れ去られた疑いがあるとして捜査している」(警察関係者)

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 女児が保護された大竹容疑者の自宅は東京・葛飾区の閑静な住宅街にある。2階建ての自宅の窓は雨戸が締め切られ、玄関前には錆びて古びた自転車が1台駐輪されている。大竹容疑者は2010年からこの家で暮らしているが、近所付き合いはほとんどない。しかし、取材を進めていくと、元同僚らの証言で大竹容疑者が最近まで保育士として都内の保育園で働いていたことがわかった。

女児を連れ込んでいたとみられる大竹容疑者の自宅

「文春オンライン」の取材に元同僚から語られたのは、これまで報じられることのなかった保育士・大竹晃史としての特異な勤務態度だった。元同僚のAさんに話を聞いた。

保育士だった大竹容疑者は「ゲームしか見えない」

――大竹容疑者との出会いは?

「同じ保育園で働く同僚でした。彼は2018年4月から保育士として採用されて1歳児クラスの担当でした。彼は以前にも保育士をしていたそうで、前の保育園では『園長先生に歯向かってクビになった』と自分で話していました。そこでは1年弱くらいアルバイトのような扱いで、担任ではなく、保育や掃除などの仕事をしていたそうです」

――逮捕の一報を聞いてどう思いましたか?

「最初は大竹君が? と思ったけど、すぐに『ああ、やっぱりな』と思いました。わいせつ事件ならもっと驚いたと思いましたが、逮捕容疑が誘拐でしたので、“らしいな”って率直に感じました。彼は1つのことしか見えなくなるから、ゲームを一緒に楽しんでくれる仲間がほしかった。その相手がたまたま小学生の女の子で、ゲームしか見えなくなったのではないかと思っています」