勤務先のルールが守れず、シフト通りに動けない
――逮捕されたときの大竹容疑者の姿を見てどう思いましたか?
「一緒に働いていた頃よりも随分痩せたように見えました。逮捕されたときの服装を見て、保育園のときの服装と『同じだ』と思いました。彼は毎日保育園に同じ服で来るんです。保育士は清潔でなければならないので、30分前に出勤して仕事用の洋服に着替えて働くのがルールなんですけど、彼はそのルールが守れなかった」
――大竹容疑者の勤務態度はどうでしたか?
「9時間拘束の8時間勤務で給料は手取り20万円くらいだったと思います。保育士の勤務はシフト制になっているんですが、彼はシフト通りに動けない。遅刻を指摘されると、『なんで9時半に来なきゃいけないんだ』と普通に反論していました。『決まりだから』と注意されても、彼はそれができない。結局、他の職員からもブーイングが出てしまったので、固定のシフトにされていました」
――大竹容疑者が保育士になった経緯は聞いていますか?
「高校は政治家や著名人を多く輩出している都立の進学校に通い、その後にIT系の専門学校に進学したそうです。なんで専門学校に進学したのかと聞いたら、『自分は成績が悪かったわけではない。周りは一流大学に進学して自分も東京理科大とか進学を考えたけど、ゲームの仕事がしたかった。だからゲームのプログラミングを極めるために専門学校へ行った』と話していました。しかし、専門学校を卒業したものの一般企業に入社できず、ずっとニートのような生活を送っていた。このままではいけないと思ったのか通信講座をうけて、保育士の資格をとったそうです」
「うるさい!」と子供をクローゼット閉じ込めパニックに
――保育士として問題はなかったですか?
「保護者からのクレームが多かったです。連絡ノートに何が書いてあるんだかよく分からないとか。先生を代えてくれとか。彼の文字は、例えば漢字なんかも左の部首と右のつくりの大きさが揃わずばらばらで読めないんです。仕方なく特別にパソコンを使って文字を書くことを許可されると、今度は子供をほったらかしにしてパソコン作業に没頭してしまう。あるいはお腹が空いたら、子供たちが何をしていようと無視してごはん食べに行ってしまうこともありました。口を開けばゲームやパソコンの話を一方的にして、『みんなが俺を理解しない』と、いつも刺々しい早口口調で文句ばかり言っていました。イライラすると、頭をかきむしる癖もありましたね。保育園では先生の名前を下の名前で呼ぶんですけど、彼は『あきちゃん、あき先生と呼んでください』と言っていて、子供たちにそう呼ばれるととても嬉しそうにしていました。しかし、園児たちに怒鳴ったりするので子供たちはあまり寄り付きませんでした」