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 そこで安倍政権が、専門家のご意見を聞いた上でスタートさせたのが「GoToキャンペーン」です。感染対策をしっかりと講じているホテル・旅館を対象に、宿泊代金の支援を行ってきました。8月27日までの約1カ月間で少なくとものべ556万人の方々に利用頂きましたが、登録されたホテル・旅館で現在判明しているGoTo利用の感染者は僅か6名に留まっています。

 GoToに関しては、当初は大変厳しい意見を頂くことも多かったのは事実ですが、少しずつ国民の皆様のご理解を頂けているのではないでしょうか。今後も、感染対策をしっかり講じることを前提に、観光、飲食などコロナでダメージを受けた多くの業種を支援することで、国民生活を守っていきたいと考えます。

秋田のいちご農家育ち「出稼ぎのない世の中を作りたい」

 私は秋田の寒村のいちご農家に育ち、子どもの頃から「出稼ぎのない世の中を作りたい」と思っていました。政治家になってからも、地方を大事に思う気持ちは脈々と息づいています。総務大臣時代には、生まれ育った故郷に貢献したいとの多くの人の思いを実現する方法として、かねてから自分の中で温めていた「ふるさと納税」制度を立ち上げました。

 だからこそ、自民党総裁の任を引き継ぐことが私に許されるなら、「地方創生」を最優先課題の一つとして取り組みたい。我が国はいわゆる東京圏(1都3県)以外での消費が全体の7割を占めます。この中で、地方の所得を引き上げ、地方の消費を活性化しなければ、日本経済全体を浮揚させることは不可能です。

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 2012年末に発足した第2次安倍政権においても、私は「観光」と「農業改革」を地方創生の2本柱として取り組んできました。特に官房長官として手掛けた外国人観光客の誘致拡大は「地方の経済をもっと元気にしたい」との思いからです。

 当初は法務省と警察庁の官僚が「ビザ緩和で治安が悪化する」と大反対でしたが、本当にそうだったでしょうか。外国人観光客が増えること自体は良いことのはずです。そこで私は当時の法務大臣と国家公安委員長の2人にまず了解をもらい、観光庁を所管する国土交通大臣と外務大臣を加えた5人の閣僚で、10分足らずで観光ビザの緩和を決めました。

 こうして政治が方針を明確にすれば、官僚は極めて優秀ですから、その方向で動き出してくれる。結果、外国人観光客は836万人(12年)から3188万人(19年)へと急増したのです。治安が悪化したという事実もありません。