コロナによって観光は極めて厳しい状況になっていますが、「活力あふれる地方」を創っていくためにも、再び外国人観光客を増やしていきたい。そのように考えています。
しかし、コロナが地方にとってマイナスばかりというわけではありません。テレワークなどが広がったことで、むしろ地方の可能性は広がったのではないでしょうか。ここで必要なのが「デジタル化」です。いまだに山間部や離島では光ファイバーが届いていない地域が多い。今回の2次補正予算では、私が主導し、離島も含めて全国に光ファイバーを敷設する予算(500億円)を確保しました。これによって、多くの地方でテレワーク、さらには遠隔で医療や教育を行うための重要なインフラが整備されていくはずです。
国民にとっての「当たり前」と「当たり前でないこと」
私が政治の道を志して以来、一貫して重視してきたのは、国民の皆様から見て、何が「当たり前」かをきちんと見極めるということです。世の中には、まだまだ数多くの「当たり前でないこと」が残っています。
例えば、携帯電話の料金。いまや携帯は「国民のライフライン」にもかかわらず、世界で最も高い水準の料金が放置され、契約体系も複雑なものでした。そこで昨年踏み切ったのが、2年契約の途中で解約した場合の違約金を9500円から上限1000円に引き下げるという法改正です。
それでも、市場の9割を占める大手3社は20%前後の高い営業利益率を出し続けています。大企業の利益率の平均は約6%ですから、まだまだ値下げの余地はある。ここにも切り込んでいかなくてはなりません。
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菅氏が語った「当たり前でないこと」の最たるものとは。この記事「新内閣総理大臣へ 菅義偉『わが政権構想』」の続きは「文藝春秋」10月号、「文藝春秋digital」に掲載されています。