第5の特徴 「ホールネスな状態を求める」
ホールネス(wholeness)を和訳すると「全体性」という言葉となるが、すごく簡単に言ってしまうと「ありのままの姿」ということである。私たちは働く上で、職場用の自分とプライベート用の自分を分けて生きることがあるが、ホールネスとはそのような境界を設けず、自分らしさを発揮して生きられる状態を指す。
Nizi ProjectではJ.Y. Park氏が参加者たちに対して「そのままの自分」を発揮することを求める(もしくは許容する)シーンが随所に見られた。大切なのは、つくられたアイドル像を演じるのではなく、あくまでも等身大の自分。長期にわたってスターであり続けるためには、持続可能な姿でいる必要があり、ましてやニセモノでは通用しないわけである。
完全にスターのように見えました。東京合宿の時にリマさんに指摘していたことは「典型的な表現」です。でも(典型的な表現が)今は全然ないです。克服できるか心配でした。他のラッパーたちの表情を真似することが深く身に付いてしまっているようだったので、時間がかかるだろうなと思っていました。しかし今日のパフォーマンスは、自分のパートで出てくるとき、キラキラ輝いていました。リマさんとして。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 2 #10-1より)
指摘したところをよく直してきたので、もう1つアドバイスします。もう少し楽になってほしい。楽になるというのは練習を適当に済ませるということではなく、ダンスをしたり歌を歌うときにとても切迫して見えるのは問題だと思う。ユナさんが見えない。楽になるとユナさん自身が見えるはずですよね。僕はユナさんが普段、どんな表情をしているのか見えない。歌の合間に見せる表情がユナさんの表情であるべきなのに、ユナさんの表情ではなく、全てが練習したように見えるのが本当に惜しい。
(通常は)事務所などに入って小さい頃からアイドルになる準備をしたら、実力はたくさん伸びるけど、気楽でナチュラルな姿がなくなるのが短所です、練習生生活の。
次回はもっと……ユナさんを見たいし、感じたい。話すときも、踊るときも、歌うときも、もっと。本来のユナさんでいてほしい。どんな人なのかを僕が感じられるように。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 1 #4-1より)
第6の特徴 「才能を信じ、練習で改善できるものを指摘する」
改善点について指摘することが多いJ.Y. Park氏だが、それらはすべて「練習」に帰結するようなフィードバックとなっている。Nizi Projectにおいて彼は才能を否定することは一切なく、あくまでも「練習に一生懸命取り組み、課題を一つひとつ克服していけば夢を実現できる」というスタンスを終始貫いているのが印象的だ。
これにより参加者は自身の才能やセンスを疑うことなく、高い壁に挑んでいくことができる。その結果、一心不乱に練習するようになり、成長していくこととなる。ある意味、J.Y. Park氏の言葉は言霊のように作用している。
このレベルだと歌手になれません。自信は膨大な練習量から出てきます。僕が思うに……(ニナさんは)優れた才能を持っています。しかし、その才能を活かせるかどうかは自分次第です。スタイルも本当にいいし、外見も本当に魅力的で、綺麗だし、ニナさん自身の努力だけが足りないと思います。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 1 #5-1より)
でも今日も、地域予選のときから変わっていません。ただ可能性だけが見える。(ニナさんの)成長した姿が何も見えません。ダンスはギリギリ覚えて真似して踊ったレベル。音程は少しは良くなったかもしれませんが、何ひとつ成長していません。とても不安定で、声がとても震えています。僕の期待値が高かったのかもしれませんが、とても残念です。
今度は僕が見た可能性がステージで現れたらいいなと思います。僕が見た才能は絶対にあるので、練習を頑張って、トレーナーの話をよく聞いて行動してもらえばすぐに成長できると確信しています。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 2 #1-2より)