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NiziUを開花させたプロデュ―サーJ.Y. Park氏の“イマドキの若者を育てる言葉学”「Goodが先、Mottoが後」

人事のエキスパートが注目する「敬意と承認の名言集」

2020/09/12

第7の特徴 「自分の内面を語る」

 J.Y. Park氏は相手を褒める時に、事実だけでなく自分の感情をセットで伝えることがある。感情というのは扱い方が難しく、「職場では感情的になってはいけない」と自制する人もいるが、感情的になることと、感情を伝えることは別である。特にポジティブな感情は伝える相手にとっても嬉しいものであり、より効果的なフィードバックとなることがある。

©AFLO

練習生13人の中で僕が一番気にしていた練習生がいました。練習生の期間が一番長くて、自分が一番上手くやらなければいけないというプレッシャーがあったと思います。そのプレッシャーが完全にストレスとなって様々な良くない状況を引き起こしたんだと思います……。

 

それで一番長く練習していたのに最後まで自分の実力を見せられずにデビューメンバーに選ばれなかったらどうしよう……。もちろん審査は公平にしなければなりませんので最後まで公平に見ますが……。(しかし)曲が始まって踊り始めたら、ダンスから全然違いました! とてもリラックスして自信を持ってダンスを大きく上手に踊っていました。そして歌い出したとき、細くて不安定な声ではなくとても力強い声が出ました。

 

ユナさんがどれだけストレスを受けて辛かったのか僕は想像できるので、急に僕は泣きそうになりました。(今まで)すごくこの言葉を言ってあげたかったんですが、本当に上手でした! 本当に心配だったのですごく嬉しいですね。もうこれでファイナル・ミッションでも実力を完全に発揮できるんじゃないかと期待しています。

 

(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 2 #7-2より)

皆さんはまだデビューしていないアマチュアですし、しかもこのプロジェクトが始まった1年前はレッスンすら受けたことのない練習生もいました。それにもかかわらず、ここまでのパフォーマンスを見せてくれたことを誇らしく思います。

 

(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 2 #9-1より)

第8の特徴 「フィードバックする人間として説得力を持つ」

 最後に、フィードバックは「何を言うか」がもちろん大切なのだが、やはり「誰が言うか」によって受け取り方は変わってくる。自分が嫌っている上司からだと何を言われてもムカつく、自分が全然できていないのに言われても説得力がないと感じるということは、誰しも経験があるのではないだろうか。

 J.Y. Park氏は韓国を代表するスターとして君臨し、そのための努力をし続けているからこそ、彼の言葉一つひとつには重みがあり、心を動かすものがあるのだろう。

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歌手になる3〜4年前からやってきたので、ほぼ毎日30年くらい。全部覚えて毎日必ず30分やらないといけないんです。夢を叶えるために毎日のスケールトレーニングはもちろん、運動まで。やりたくないことも長い間コツコツ続ければ、自分がやりたい仕事が一生できる。

 

(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 1 #2-1より)

 

YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] より

僕は……歌手という仕事が……世界中の仕事の中で一番特別な仕事じゃないかと思っています。大勢の人たちが夢を持っていますが、その夢を叶えて、またその仕事を一生やり続けられる人はそんなに多くないです。

 

その夢を叶えるために一番大事なことは……毎日毎日、自分自身を管理していくことです。ダンスも歌も全て体でやっていくことなので、この毎日毎日、ある意味退屈でやりたくないことをコツコツと繰り返すことができれば、その夢を叶えられる!  またそれを長く維持できると信じています。毎日しっかりやらないと自分の夢を叶えられないと思いました! また守れないと考えています、今も。

 

(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 1 #2-1より)

 この記事では「J.Y. Park氏の言葉」に含まれる要素を分解し、解説してきた。芸能界とビジネスの現場では前提や勝手が異なる点も多々あるが、それでも彼のスタンスやマインドセットには参考になる点が多い。今回の解説が、皆さんの「言葉」を良くすること、そして皆さんの周囲の人たちが輝くことに役立てば幸いである。

NiziUを開花させたプロデュ―サーJ.Y. Park氏の“イマドキの若者を育てる言葉学”「Goodが先、Mottoが後」

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