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NiziUを開花させたプロデュ―サーJ.Y. Park氏の“イマドキの若者を育てる言葉学”「Goodが先、Mottoが後」

人事のエキスパートが注目する「敬意と承認の名言集」

2020/09/12

 今秋にデビューを控えているガールズグループ「NiziU(ニジュー)」が人気だ。プレデビュー曲である「Make you happy」のMVは公開後2カ月ほどで1億回再生を突破し、デビュー前にもかかわらず、大きな話題となっている。

NiziUメンバー(NiziU公式ホームページより)

 彼女たち9名のデビューに至るまでのプロジェクトの軌跡を描いたオーディション番組が「Nizi Project」 だ。日本テレビやHuluでその軌跡が放送され、一人ひとりが夢に向かう懸命な姿がは多くの視聴者たちの心を捉えた。現在も「Nizi Project」は全20話がHuluおよびYouTube公式チャンネルにて無料で視聴できるので、まだ観ていないという方はぜひご視聴いただきたい。

 Nizi Projectがここまで人気となった理由はいくつかあるが、そのうちの一つがプロジェクトを統括する「J.Y. Park氏の言葉」である。彼は番組内で参加者たちのパフォーマンスに対する審査員として登場することが多かったが、そこで彼女たちに伝えられた数々の言葉が示唆に富むものであり、同世代の若者だけでなく彼女たちの親世代に相当するビジネスパーソンたちにも注目されることとなった。

Nizi Projectの仕組み

 J.Y. Park氏の言葉について解説する前に、まず彼がNizi Projectにおいてどのような役割を担っていたのか確認しておきたい。全20話を5回ほど繰り返して視聴し、私はNizi Projectの仕組みについて以下の図のように考察してみた。目指す人材像は「輝き続けるスター」。そのためにメンバーに備わっているべき人材要件がいくつか設定され、それらの人材要件を満たすための要素やJ.Y. Park氏の役割を整理している。Nizi Projectは超一流のグローバル・ガールズグループを生みだすため、それにふさわしいメンバーとなりうるダイヤの原石を見いだし、育てていくための「人材輩出システム」として設計されていることが分かる。

「Nizi Project」の人材輩出システム ©青田努

 プロジェクトの顔でありながら韓国のトップスターでもあるJ.Y. Park氏は、Nizi Projectにおいて参加者たちの資質を見抜くだけでなく、個々人の技術レベルを向上させ、モチベーションを喚起し、スターにふさわしいマインドセットを身につけさせていく役割を持っている(図中の虹色部分)。

 J.Y. Park氏の数々の言葉は、人としての温かみがあるものの単に優しいだけでなく、ときには厳しい事実を伝える。J.Y. Park氏の数々の言葉は、企業内で人材育成やマネジメントを担っているビジネスパーソンにとって参考になる点が多いのだ。人材開発関連の業務にあたることが多い私も、はじめは実務に活かせそうだと「名言集」のつもりで彼の言葉をメモし始めたが、いつしか彼の言葉や考え方にすっかり魅せられてしまい、全20話分、およそ5万4000字すべてを友人とともに文字起こししていた(もはや写経に近い感覚であった)。もしNiziUの中での推しを問われたら、ミイヒかアヤカか、はたまたJ.Y. Park氏かで悩むほどである。

 いよいよ本題に移りたい。示唆に富むJ.Y. Park氏の言葉であるが、注意深く聴いていくと8つの特徴があることが分かる。彼の言葉をひとつずつ解説していきたい。

J.Y.Park氏の言葉の特徴  ©青田努