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意識高い系に大人気、パルトロウのブランド『GOOP』

 コロナ騒ぎを茶化してるんだろうか? パルトロウがしているマスクは1個1000円もする超高機能マスク。これも人々をイラッとさせた。

「今度はコロナで商売するつもりかよ!」

 なぜなら彼女は、ここ数年、怪しげな健康ビジネスを続けているからだ。

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 2008年、パルトロウは自分のイニシャルのGPで2つのO(オー)をはさんだ、GOOP(グープ)というブランドを立ち上げた。GOOPは、ファッション、コスメ、フィットネス、サプリメントなど、パルトロウが推薦するハイクラスのライフスタイルを売る会社。いわゆる意識高い系に大人気だが、特に「ウェルネス(健康)」系はジョークとも本気ともつかない商品が多い。

©iStock.com

 たとえばバイブレーター。刺激する部分によってミリオネア(億万長者)、消防士、フランス人、テニスコーチの4機種がある。この名前は女性から人気の4種類の男性像を意味しているらしいが、いろんな意味で偏見に満ちてないか?

 それは害がないからまだいい。GOOPは2015年、ヴァージナル・スティーミング(女性器蒸し)を推薦した。ヨモギの蒸気で女性器を洗浄する一回100ドル(約1万円)のサービスだが、すぐに婦人科の医師たちから「医学的にまったく無意味どころか、粘膜を熱するのは危険です」と批難された。

 でも、パルトロウは懲りない。2017年にはジェイド・エッグなるクリスタル製の卵を66ドル(約7000円)で売り出した。これを膣内に入れておくと「性的エネルギーを増進する」という触れ込みだが、女性週刊誌に載ってる「恋人ができるパワー・クリスタル」の通信販売広告と同じで、まったく根拠がないまじないにすぎない。

 ただ、女性誌のオカルト商品広告とGOOPが違うのはビジネスとしての規模だ。売上はなんと2億5000万ドル! GOOPがこの手の健康法を沢山集めるウェルネス・サミットは、毎年何万人も集めるビッグ・イベントになっている。

 いくつかの消費者団体はGOOPを誇大広告で訴えて勝訴しているが、パルトロウは一向に反省した様子がない。