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2020/09/25

source : ノンフィクション出版

genre : ニュース, 芸能, 国際, 政治

過ちを認めない、哀れな次男坊

 その18年後、フレッド1世が亡くなった。300億円といわれた財産の分与を、当時34歳のメアリーさんと兄のフレッド3世は期待した。特に彼には脳性麻痺の息子がいて、医療費が必要だった。だが、ドナルドたちトランプ兄弟は、死ぬ直前の父に遺書を書かせて、フレッド2世の子どもたちには遺産を均等に分与しないことにした。

 怒ったメアリーさんとフレッド3世はトランプ兄弟を訴えた。2人は今後、この件について語らない条件で示談になったので、今回の本は契約違反ではある。

 書名は『私の一族はいかにして、世界で最も危険な男を作り上げてしまったのか』だが、正しくは「一族」ではなく、フレッド1世だろう。

 父フレッドは息子たちにこう言っていた。「過ちを認めるのは弱さだ」「成功者以外は負け犬だ」「キラー(殺すくらいタフな男)になれ」「嘘も必要ならつけ」その教えにドナルドは忠実に従った。

©iStock.com

 コロナの死者がいくら増えても「私の責任じゃない」(3月13日記者会見)と言ったり、感染の第二波が来てるのに、9月から授業を再開しない学校には助成金を削減すると脅したりできる「キラー」で「過ちを認めない」大統領は、今も「父のご機嫌を窺う哀れな次男坊」だとメアリーさんは言う。

 だが、フレッド2世はそうではなかった。フレッド2世は、弟ドナルドがウォートン校に願書を出した時、自分の友人がウォートン校のアドミッション(入学選抜事務)にいるのを知って、彼に頼み込んでドナルドを合格させてもらったのだ(これは担当者が認める事実)。

 トランプは学校の成績も頑なに明かさない。良ければ隠す必要はない。ウォートンは私大だから不正入試にはならないが、もし、兄が裏から手を回さなければトランプは入学できていたか? もし落ちていたら?

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