昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載この鉄道がすごい

2020/09/27

「ぷらっとのぞみ」よりも安い「EX早特21」

 日帰り往復に縛られたくないという人には、冒頭で触れた「エクスプレス予約」をオススメしたい。JR東海が直営する会員制ネット予約サービスで、有料会員の「エクスプレス予約」と年会費不要の「スマートEX」がある。ビジネスで新幹線の利用頻度が高い人は年会費を払っても「エクスプレス予約」が適している。利用頻度が低い人は、値引きが小さめの「スマートEX」でじゅうぶんだ。

 スマートEXの東京~新大阪間の料金は通常期で1万4520円。これだと通常期の定価より200円安いだけだ。しかし、早期予約割引のEX早特21なら1万1200円になり、「ぷらっとのぞみ」より1500円も安くなる。グリーン車プランも差額が小さいとは言え、「ぷらっとのぞみ」より「EXグリーン早特」のほうが安い。ただし「EXグリーン早特」では、利用できる列車が早朝6時台の「のぞみ」と終日の「ひかり」に限られる。「ぷらっとのぞみ」は「ぷらっとこだま」と同様に、おおむね毎時1本が設定されているから選択肢が広い。

 利用できる期間、対応する列車が異なるから、単純にどれが良いとはいえない。単純に料金で比較して、往復利用なら「ひさびさ旅割引」、片道利用なら「エクスプレス予約」「スマートEX」のほうがいい。ただし、対応列車の範囲、時間帯をみれば「ぷらっとのぞみ」「ぷらっとこだま」は便利だ。

©️iStock.com

「ぷらっとこだま離れ」が進んでいたのではないか

 では、使いやすいけれども価格的に絶対優位ではない「ぷらっとのぞみ」はなぜ誕生したか。筆者は「JR東海の危機」ではなく「JR東海からJR東海ツアーズへの救済策」だと思う。なぜなら「エクスプレス予約」の登場によって「ぷらっとこだま」の利点が小さくなってしまったからだ。とくにもっともおトク感が大きかった「ぷらっとこだまグリーン車指定席プラン」に対して、後発の「EXこだまグリーン早特」のほうが安くなった。

©️iStock.com

 筆者は特に急がない限り「ぷらっとこだま」の愛用者だった。しかし、スマートEX会員になってからは「ぷらっとこだま」を使っていない。スマートEXのほうが安いし、列車の変更も簡単だからだ。おそらく私のような利用者が増えて「ぷらっとこだま離れ」が進んでいたのではないか。そこにコロナ禍が直撃した。

 いずれにしても、新幹線の利用者にとってはおトクな選択肢が増えたことは喜ばしい。“投げ売り”のイメージから「ぷらっとのぞみ」の一択とせず、用途に応じてじっくり比較してほしい。

この記事の写真(6枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー