人気店の跡地にオープンした「雑賀屋(さいかや)」
『ここが佐藤栞里さんイチオシの店というわけだな……』
店はガラス張りで混雑度などもすぐにわかるし、ビニールシートで感染対策も万全なようだ。外にテラス席もあり、そこで食事している人もいる。これもコロナ対策にはいいアイデアである。入店すると横に長い変形L字カウンターがあり、食券機が右奥に置いてある。店の方におすすめをきいてみると、「鶏天極上太麺そば」(530円)や「鶏天&唐揚げ極上太麺そば」(550円)、「かき揚げ極上太麺そば」(510円)あたりが人気だというので、「鶏天極上太麺そば」をさっそく注文してみた。
平打ちの生そばに鶏天が2つのった「鶏天極上太麺そば」(530円)
すると、きしめんのような平打ちの生そばを茹で始めた。「雑賀屋」のそばは、オーナーの大橋功さんが地元の製麺所と膝詰めして開発したオリジナル生麺だという。茹で時間は1分半位だろうか。茹で上げた太いそばをどんぶりに入れ、丁寧に保温したつゆを回しかけ、その上に100gの鶏天2つをオモムロにのせて、さらにねぎをのせて完成である。佐藤栞里さんポジションで店のPOPなどをみていると、ほどなく到着した。
そのつゆをまずひとくち。アツい。アツアツである。しかも、素晴らしく出汁の利いたつゆである。うかがうと、比内地鶏ガラ、鰹節、鯖節、あご、煮干し、干し椎茸、日高昆布などを上質なアルカリイオン水でひいた出汁だという。ふくよかな旨味とでもいえばいいのだろうか。返しもちょうどよい塩梅で、これだけアツアツでも十分に旨味が伝わってくる。そして太いそばを食べてみると、日暮里「一由そば」の太麺のようなごわっとした食感ではなく、するするとしなやかな麺である。アツアツのつゆによく絡んでいる。鶏天もアツアツでジューシー。さすが人気焼き鳥店の技が十二分に発揮されているようだ。
『これはうまいっ』と思わず叫んでしまったほどだ。
あっという間に完食してしまったので、今度は普通のそばの「かき揚げそば」(420円)を追加で注文してみた。