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新生パルコのゲイバーは今…#MeToo時代にドラァグクイーンが求められる理由

「Campy! bar」ブルボンヌさん・家弓社長インタビュー

2020/09/25
note

渋谷パルコ店はどこを目指す?

――深い……。渋谷パルコ店は、この先どこを目指すのですか。

家弓 物見遊山でも、興味本位でもいいから、いろいろなお客さんに来続けてもらうこと。お店に来た人が、「ブルボンヌとこんな話をしたよ」「店長のチカコ・リラックスと話して、こう感じたよ」って周りに言ってくれることで、じわーっと変わっていくこともあるかなって。

ブルボンヌ フィルター1枚取ることで、世界の色が変わって見えることってあると思うんですよね。性に関してであれ、何であれ。来てくれた人の何割かにでも、そういうきっかけになれるような場所にしていきたいなって。そして、そのうえでもちろん稼ぎたい(笑)。みなさん、ぜひぜひ来てみてくださいね。

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「Campy! bar」の看板

 取材後、店長のチカコ・リラックスさんが「お客さんから『自分ももっと自由でいいんだと思った』って言われたんです」と教えてくれたが、それもそのはずと思った。

「女装は武装」と表現されることもあるが、「Campy! bar」の皆さんは「裸一貫」という言葉がよく似合う方々だ。決して恥じず、ひとつも照れずに客を楽しませようとする彼らの姿勢はともすれば「まっすぐ」で、客の胸にブスリと刺さる。LGBTQではない人を“ストレート”と表現することを思うと、これは痛快な事実な気もする。

 新型コロナ流行を受け一時休業していた「Campy! bar」は、アクリルシートにマスクやフェイスシールドなど感染予防対策を実施し、楽しく営業再開中。

店内にはパーテーションや消毒液も(「Campy! Bar」提供)

「Campy! bar」は渋谷というダイバーシティの中心地で、何がスタンダードなのか、自由なのかを問う存在なのかもしれない。ライフスタイルの多様化がますます進む令和の時代に必要な“お作法”は、「Campy! bar」がきっと教えてくれるはずだろう。

写真=平松市聖/文藝春秋

INFORMATION

Campy! bar渋谷パルコ店

場所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ B1F カオスキッチンフロア

営業時間:19:00~29:00、ラストオーダー28:00

TEL:03-5422-3015

最新情報はツイッターよりご確認ください。

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