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「うしろめたさじゃないけれど…」長谷部誠36歳がコロナ禍で味わった“特権と犠牲”

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ブンデスリーガだけが与えられた“特権”

 5月16日にブンデスリーガは無観客試合という形で再開。世界の主要リーグの中で最も早い再開だった。

「ドイツ国内でも、まだ学校を始め、娘の保育園なども再開していない状況で、他のスポーツも解禁されていませんでした。さまざまな制限が残る中で、ブンデスリーガだけが、ある種『特権』を与えられたわけです。

 サッカーは選手同士のコンタクトが激しいスポーツです。感染リスクを、不安に思わなかったのか? という質問をよくうけましたが、そういう不安はなかったです。なぜなら2日に1度くらいのペースでテスト(PCR検査)をやっていたし、試合前も、前日からホテルに完全隔離。人との接触機会を最小限にするため、それまで3人いた用具係が1人になるなど、スタッフの数も減らされていましたから。リーグ全体で目に見える対策を講じていたので、危険を感じることなく、サッカーができました。

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©AFLO

 ただ、その後、感染リスクを避けるため、レストランが再オープンしても、僕ら選手は外食を控えなければなりませんでした。また、子どもと公園へ散歩に行けないなど、私生活を犠牲にする一面もありましたが、『特権』を与えられた身としては当然だと受け入れました。でも、うしろめたさじゃないけれど、果たしてこの再開が正しいのかという疑問があったのも事実です」

出典:「文藝春秋」10月号

「文藝春秋」10月号および「文藝春秋 電子版」のインタビュー「いまは『筋肉痛』すら愛おしい」では、さらに無観客試合で感じた違和感の正体、現役で生き続ける秘訣、先日引退した盟友・内田篤人への思いなどを告白している。

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いまは「筋肉痛」すら愛おしい
「うしろめたさじゃないけれど…」長谷部誠36歳がコロナ禍で味わった“特権と犠牲”

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