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京セラドームの場内演出。来季のために言っておきたい事がある

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/10/30

 やや気は早いが、今季もありがとうバファローズ。しかし、自分にはどうしても来季に向けて声を大にしたい事がある。確かにコロナ禍で大声は控えるべきなのだ。だが敢えてそこは声を大にしたい。いわゆる場内演出全般の“いささか”の違和感(自分的には「気味の悪さ」)についてなのだが、そこを大下誠一郎選手ばりの大声で言いたいのだ。言うぞ、言うぞ、誰かハチミツを用意しておくれ。

「どうしたバファローズ。なぜそんなにも根暗で内向きなチームになってしまったんだ」

 ふぅ。言ってもうた。だがあくまでこれは自分の主観であり、異論も大歓迎。それに自分にそれをどうこう変革する事は出来ないので、“年寄りの解説者が現役選手に小言を言っている感覚”で読んで頂けたらと思う。では幾つか例をあげながらその違和感について説明して行こう。

 先ず第一は場内ビジョンの「ニコニコ動画風コメント演出」からだろうか。さてこの演出、いったい誰が「面白い」と思うのだろうか? 悪ノリにしては古すぎるし、興奮を共有出来る要素もない。まして、あれが多数の閲覧者から送られたコメントではなく、場内演出の担当者が一人で「沸いた多人数風」のコメントをいくつも作成している所を想像すると、受ける印象は根暗以外の何物でもないだろう。

 なぜ感動的な「STRONG OSAKA」のVTRや、吉田正尚の「マッチョマン」のような煽りVTRを送り出すチームが、あんなにも二番煎じのくだらな、いや安直すぎる演出をするのだろうか。確かにくだらな、いや、安直なくらいが大阪らしいのかもしれない。しかし、NPBは日本でもトップクラスのエンターテイメントである。自分らで何か作り出すならまだしも、そのままニコニコ厨を真似るセンスが謎である。

©DOMI

いまさら「お前」の連呼に感じる違和感

 そして2つ目が「お前ら待たせたな」だろうか。YES。歌っているワタナベフラワーやあの歌、映像に異を唱えるつもりはない。高須先生に物申す気など微塵もない。

 が、NPB関係者なら「お前」の取り扱いには充分な注意が必要だと知っていただろうに。2019年シーズン、「お前」は一躍両リーグを代表する存在となった。「お前のままで良い」だの「お前はやめておくべき」だのとある意味「お前」はNPB一を誇るサウスポーだった。何やら与田監督と中日球団が日本中からリクエストを申請されたような、与田監督の思いとは明後日の方向に話題が進んで行ったような感覚で。それを踏まえてあのYES、いや「お前」の連呼である。

 恐らくは一連の騒動を受けて「お前と呼ぶことに対しては問題がない」という主張を発しているのだろう。が、ややタイミングが悪かったように感じる。なぜなら、2019年の「お前問題」、とっくに選手も世論も大多数が「 お前と呼ぶことに対しては問題がない」と表明しているのだから。多数派の意見を把握してからの「お前」の連呼となってしまっている事に違和感を感じざるを得ないのだ。

 言い過ぎかもしれないが「特に自分は悪いことをしていないので、この件に関しては耳の痛い奴らの方が悪い、だからあえて連呼する」と言った“いじめっ子感覚”が覗いてしまっているのである。だって、民放では違うCMが流れており、あれは野球場である京セラ用のコラボCMなのだから。「お前」問題はもう済んだ事だし、敢えてそれを球場で連呼する事にくどさを感じる。“いじめっ子感覚”これも根暗で内向きな印象を与える要素ではないだろうか。