菅首相が「最初のスキャンダル」のただ中にある、と書いたのは英経済紙フィナンシャル・タイムズ(電子版5日付)。
スキャンダルなんだやっぱり。
英科学誌ネイチャー(電子版)は6日付の社説で「科学と政治家の関係を導いてきた慣例が脅かされている。ネイチャー誌は沈黙して傍観できない」。具体的な最新事例として菅首相による日本学術会議の6人の新会員任命拒否問題を紹介している。
海外メディアも報じた「日本学術会議任命拒否」問題
これらは毎日新聞がWEBで10月8日に報じた。菅首相が海外メディアに「見つかってしまった」のだ。
するとその翌日、菅首相は6人を除外する前の推薦者名簿は「見ていない」と述べた。首相が名簿を確認した段階で既に6人は除外されていたというのだ。
海外科学誌、主要紙が批判と報じられてからの「見ていない」発言。国内ならどうにかなるが海外には説明が必要と考えたのだろうか。興味深い時系列である。
では「見ていない」とはどういうことか。前首相の安倍さんからの継承なの?
あ、どっちにしろマズい展開になってしまった。このあと政府自民党は「学術会議自体に問題がある」「行革の対象だ、見直しだ」という話に飛躍させたが、この大ピンチの詰将棋から目をずらすにはこういう手しかないのだろう。
さて冒頭に紹介したフィナンシャル・タイムズの見出しは「学術会議スキャンダルは、ヨシヒデ・スガの蜜月を脅かす」だった。
蜜月とは《新しい政治指導者が就任した直後に一般に見られる、メディアや社会との良好な関係のことだ。》(毎日WEB・同)
つまり新政権がスタートしてせっかくメディアと蜜月(いわゆるハネムーン期間)なのに大丈夫か? とフィナンシャル・タイムズは菅首相を心配しているのである。