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「失踪させる工作をして殺害しよう」

 白石被告と別れたCさんは、帰宅途中に「これからはちゃんと生きていこうと思います」とLINEでメッセージを送っている。白石被告が悩みを聞いたことでCさんは生きようとした。白石被告も「まだ頑張れると思う」と返信をしている。この時点では、白石被告は「殺害を諦めかけた」と述べた。

 しかし、帰宅させてしまうと、Aさん殺害がばれてしまう可能性があり、呼び寄せることになる。駅付近のロッテリア前で合流。食事をすることになる。このとき、白石被告はこう考えていた。

「失踪させる工作をして殺害しようと思っていましたが、失踪の理由を考えました。Cさんは、仕事にも悩んでいましたので、新しい仕事を紹介しようと思い、ホストやスカウトの仕事をすすめました。Cさんの、Aさんに対する態度を見ていたとき、女性に困っていそうだと思いました。やってみたいという意思を確認して、失踪の工作をさせようとしたんです」

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 白石被告はCさんに対して、相武台前駅から片瀬江ノ島駅まで行き、PASMOや身分証、iPadを捨てるように言った。途中で服を買い、片瀬江ノ島駅から戻ってくるときには、着替えて改札を通るようにも指示した。

※写真はイメージ ©️iStock.com

 しかし、Cさんは、それらの所持品を海老名駅のコインロッカーに預けていた。そのとき、Cさんはスマホのメモアプリに「これからの私の選択は、いろんな人を傷つける」と書いていた。また、Twitterに「こんなクソみたいな人生でも一時だけでも良い思いをした」と投稿している。

Cさんは、頭部を叩いたり、髪や腕を掴んで抵抗

 その後、再び合流して、コンビニで購入したウィスキーのコーラ割(500ml)を二人で分け、飲みながら長時間話している。このとき、睡眠薬をすすめたかははっきりしない。Cさんがリクエストしたニルヴァーナの曲をYouTubeで聴きながら、Cさんは悩みを話していたという。そして、眠くなってきたCさんを襲ったのだ。

Cさん殺害の現場となったアパート ©️渋井哲也

「眠そうになったCさんの背後に回って、首を左腕で絞めました。左腕を顎の下にして、右腕で締め付けたのです。右腕は、絞めている左腕をより強く絞めるようにしていました。Cさんは、私の頭部を叩いたり、髪や腕を掴んで抵抗していました。しかし、後ろにひきずるようにして、Cさんの背中が自分の胸にあたるような形になりました。その最中に、私は後頭部を擦りました。抵抗は2、3分でしたが、その後、Cさんが失神するのを確認しました」