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原点回帰のGoogle「Pixel 5」 5つのポイントで名機「Pixel 3」と徹底比較!

2020/10/19
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 ただし試した限りでは、Pixel 3に比べ、全体的に白っぽくなる場合があるようです。原因は不明ですが、超広角ではこの問題は発生せず、また望遠でも光学2倍ズームまではこの傾向は見られないため、デジタルズームに何らかの癖があるのかもしれません。高倍率での撮影をよく行う人は、注意したほうがよいかもしれません。

左が広角、右が最大ズーム(7倍)から部分的に切り出した画像。やや白っぽくなる傾向が見て取れます。ディテールもかなりボケ気味です
こちらはPixel 3で同様の撮影を行ったところ。色がしっかり出ているせいか、Pixel 5よりも細かいディテールがしっかり見えます
同じく、iPhone 11 Pro Maxで同様の撮影を行ったところ。Pixelシリーズよりもカラフルで、かつ高精細です。ちなみにこれは7倍ズーム相当で、実際にはさらにこの上、10倍ズームまで対応します

4)ロック解除方法:実用性重視? 異例の「指紋認証」再搭載

 かつてのPixel 4では、Pixel 3で採用されていた指紋認証を廃止し、顔認証に一本化しました。もっとも現在の新型コロナウイルスの影響下では、マスクをつけたままではロックを解除できない顔認証は、必ずしも使いやすい生体認証とはいえません。

 そのためか、今回のPixel 5では指紋認証が復活し、Pixel 3と同様、背面中央に指紋認証センサーが搭載されています。いったん廃止したギミックであっても、実用性重視で復活させる方向性は、ユーザにとってはありがたいことです。先日発表されたAppleの「iPhone 12」シリーズが、いまだ顔認証にこだわっているだけに、なおさらです。

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背面の比較。Pixel 3(右)とほぼ同じ位置に指紋認証センサーがあることが分かります

 もっとも現在は、指紋認証と顔認証、両方に対応したスマホも多く、また画面内を指で触れることで指紋認証が行える製品も登場しています。マスクをしていない環境では顔認証のほうが有利なことは言うまでもなく、完全に排除してしまったのはややひっかかります。この点については、差し引きゼロといったところでしょうか。

顔認証が省かれてしまったのは、前面カメラをパンチホール化したことで、センサーを本体前面に搭載できなくなったという事情もありそうです

 このほか、Pixel 3になかった機能としては、他のデバイスをワイヤレスで充電できる「バッテリーシェア」機能があります。また、Pixel 4ですでに採用されていたリフレッシュレート90Hzのディスプレイにより、スクロールがよりスムーズに行えるのも特徴です。

 もちろん、5Gに対応しているのも強みです。日本では5Gはまだ提供エリアが限られており、地域を問わずすぐに恩恵を受けられるわけではありませんが、スマホの買い替えスパンが2~3年に及ぶようであれば、高速・低遅延な通信が可能な5Gを、このタイミングで選んでおくのは賢い選択でしょう。