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「刺青が分からないように刻まなきゃ」遺体をサイコロステーキに…平成最大の猟奇殺人、凄惨な実態

2020/10/22

genre : ライフ, 読書, 社会

 サイコロステーキほどに解体した人間の遺体を、無造作に渓流に落とし流されるままにする。これは戦後最大級の猟奇事件ともいわれる「埼玉愛犬家連続殺人事件」の一場面だ。

 この事件を取材した拙著『』(サイゾー)を原作とする『実録ドラマ 3つの取調室 ~埼玉愛犬家連続殺人事件~』が10月4日午後8時にフジテレビで放送された。

※写真はイメージです ©iStock.com

 ドラマは大きな反響を呼んだが、放送時間はゴールデンタイム。子どもも見る時間帯であるため、凄惨な描写はカットされた。この記事では、ドラマで放送できなかったすさまじい事件の実態を紹介する。(全2回の第1回/第2回を読む)

4人の人物が連続失踪した事件

罠~埼玉愛犬家殺人事件は日本犯罪史上最大級の大量殺人だった!』 深笛義也 著

 事件が起きたのは1993年。犬などのペットを繁殖、販売する会社「アフリカケンネル」を共同経営する関根元と風間博子の周囲で4人の人物が連続失踪する。その4人とは、関根の顧客だった山上幸伸(仮名)、暴力団の高田組組長代行の高城昌義(仮名)、その付き人の小宮山亮(仮名)、そして「アフリカケンネル」の従業員の母親だった。まず、事件の概要を振り返ってみよう。

 当時関根らが経営していた「アフリカケンネル」は熊谷の一等地である八木橋デパートの前にペットショップを構え、そこから荒川を挟んで南に2キロほど行った田畑に囲まれた場所に、犬の繁殖と販売を行う万吉犬舎を持っていた。荒川近くにあったシャッター付きの佐谷田車庫には、ジャガーXJ-Sやダッジバンなど関根の所有車が収められていた。

 関根からアラスカンマラミュートを購入して親しくなった山上幸伸は、1992年の暮れに、利殖話を持ちかけられる。

「ローデシアン・リッジバックの繁殖を一緒にやらないか。この犬は日本には一頭もいないから必ず儲かる」

©iStock.com

 今度、ヘリコプターに乗せてあげましょう、それともクルーザーがいいですか、などとホラ話を交えながら、利殖の明るい未来を語る。海外に残るシリアルキラーの記録によれば、彼らはたいていユーモアのある自信家だが、関根もまさしくそのタイプだったのであろう。

 判決に記された内容に添って、事件を見てみよう。

 山上はアラスカンマラミュートの雌雄2匹の代金として、1100万円を関根に渡した。だが山上は、それが法外な金額であることを知人から知らされ、関根を詰り返金を要求する。

 関根は650万円と車で返すと言い、山上を佐谷田車庫に呼び出した。それが1993年4月20日。山上は会社帰りに、アウディを運転してやってきた。