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2020/10/22

 3つ目は、郵便投票による投票率の変化だ。これまでのアメリカ大統領選の投票率はおおよそ60%。単純計算では、有権者の過半数の30%以上を獲得していれば当選する。

 これまでのトランプ支持率の動きを見ると、実はどんなに低迷しても33%を下回らない。つまりこの「33%」が彼の岩盤支持者だ。今回もトランプは冷徹な戦略で、自分の支持者を固めて「隠れトランプ」支持者を呼び起こし、接戦州で30%以上を獲得する戦略を立てている。バイデンが「自分は支持者のためだけでなくアメリカの大統領になる」と演説で語り、ツイートするのは、「選挙に必要な人」だけにアプローチするトランプへの批判である。

 ところが、コロナが収束せず郵便投票の拡大が予想される。もし郵便投票の拡大が投票率を引き上げて7割に達すると、過半数には35%以上の得票が必要になる。トランプの岩盤支持層の「33%」では勝てない。投票率を上げることが、民主党にとっては最大の戦略である。

バイデン元副大統領はこのまま逃げ切れるのか?(10月19日) ©getty

ふたたび「隠れトランプ」が大統領選を動かすのか

 いま一番気になるのは、投票日のトランプへの熱気である。

 4年前のように「隠れトランプ」の動員に成功して、投票日に圧倒的な勝利を収めると、バイデンが敗北宣言をせずとも、トランプは勝利宣言をする。ただ、その後に郵便投票が開き、日に日にバイデンが追い上げる構図も想定される。最高裁を抑えるトランプは、郵便投票の不正の可能性を理由に最高裁の判決に大統領選挙の結果を委ねることも可能となるかもしれない。この手続きは非常に複雑で、現在各党がその可能性を調査しているが、選挙後にも不確定要素がある異例の選挙戦となる。

 再び「隠れトランプ」が旋風を起こすのか。選挙戦は最後まで目が離せない。

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