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政治家同士の「嫉妬」が自民党の歴史を動かしてきた

 10月17日にその中曽根康弘元首相の合同葬が執り行われました。最後の献花の際に、菅首相は葬儀委員長として、個別の献花を行いましたが、安倍氏や麻生太郎氏、小泉氏ら、首相経験者は一斉に名前を呼ばれ、いっぺんに献花を行いました。元首相同士肩がぶつかりそうになっていた一方、菅首相は何十人ものSPに囲まれて、会場を後にしました。

中曽根氏合同葬で献花する安倍前首相と小泉元首相 Ⓒ時事通信社

 こうした現職と元首相の待遇の違いは、首相経験者たちにとっては耐え難い光景だったと私は思いますし、この推測はあまり大きく外れてもいないだろうという確信もあります。

 一見些細に見えることが政治家同士の嫉妬を生み、「菅おろし」の静かな火種になりうるのです。それは自民党の歴史が証明していることでもあり、これからずっと一貫して、菅政権に「深層海流」のように、静かだけれど非常に強い流れとなって続いていくのです。

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菅義偉首相(2020年4月) Ⓒ文藝春秋

予算委員会は午前9時から17時まで生放送で出演しているMCのようなもの

 いずれにせよ、菅内閣の政治手腕についてはまだまだ未知数で、採点不能なところがたくさんあります。ただ、26日から開かれる臨時国会は、首相の最初の試金石になるでしょう。国会の予算委員会では、質問が丁々発止でとんできます。そこでは、答弁能力から知識量、政策理解度、果ては政治家・菅義偉の人間性まで、すべてが試される。テレビ番組でいえば、午前9時から17時まで生放送で出演しているMCのような存在に首相はなります。そこでどれだけしっかりした受け答えができるかが、菅政権を測る本当の意味での物差しになると思います。