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なぜ日本はアジアから評価されているのか
アジア諸国の多くは日本に好意的な評価をしてくれています。アジア学生調査の対象となった多くの国・地域では、日本の影響を最も高く評価し、英米豪ほどではないにせよ、多くの学生が日本への留学を希望しています。日本語能力は高くないものの、日本語の持つ有用性は広く理解され、日本の大衆文化受容も進んでいます。
(中略)
社会的距離という点でも、日本人は「特別扱い」されています。対日感情がよくない中国でも「自国から出て行ってほしい」とする回答は8.8%、韓国でも3.3%と、さほど多くありません。日本を必ずしも好意的に見ていない中国では、大衆文化受容と日本語学習が、日本イメージを向上することに一役買っています。
アジア、とりわけ東南アジアでの評価の高さは、意外にも思えます。第二次世界大戦で日本の侵略対象となった東南アジア諸国では、その歴史的経緯から反日感情が強いとされてきたからです。
しかし戦後70年以上が経ち、先人たちが地道な努力を積み重ねてきた結果、こうした結果が得られるに至っています。日本にとって、この貴重な財産を今後どのように活用し、アジアに、そして世界のためにどのように利用することができるか。私たちの知恵が問われています。