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日本の企業に国際的な「魅力」はあるのか?

 次に、日本の企業の魅力はどうか。

6-2 希望する就職先 出典:アジア学生調査第2・第3波調査

 総じて東アジアでは自国の企業で働くことを希望する者が多く、しかもその割合は、この5年間で増えています。他方で、ベトナムやタイのように、自国の企業での就職を希望しない者が多い国もあります。こうした国で日系企業を就職先として希望する者が一定数います。東南アジアでは韓国系企業での就職を希望する者が散見されましたが、東アジアでは韓国を除きほとんどいません。

 親日的な台湾で、日系企業で就職したいと思っている学生がさほど多くなく、アメリカ系やヨーロッパ系の企業での就職を希望する学生の方が多い点にも注意が必要です。国レベルか、企業レベルかによって、評価が変わることを示す典型的なケースだからです。

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 中国では、経済成長とともに自国企業のプレゼンスが大きくなり、外資系企業への就職希望者が、この10年の間に急速に減っています。

「留学先・日本」はアリ? ナシ?

6-3 日本への留学関心(2008〜18年) 出典:アジア学生調査第2・第3波調査

 6-3では、日本への留学関心をまとめた結果を示しています。すでに述べたように、アジア域内では英米への関心が突出して高く、その次にカナダ、オーストラリア、日本はシンガポールとともに第3のグループを形成しています。ただし地域によって日本への関心が若干異なります。

 対日感情がよくない韓国や中国では、日本への留学に「大変関心がある」「まあ関心がある」とする回答は、全体の半数近くにとどまります。他方で、日本語の能力はさほど高くないものの、日本の影響を高く評価するフィリピンやマレーシアでは、日本への留学に関心を示す学生が9割近くいます。