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鮎川まどかにドキドキ……『きまぐれオレンジ☆ロード』まつもと泉先生に実写化を持ち込んだ思い出

鮎川まどかにドキドキ……『きまぐれオレンジ☆ロード』まつもと泉先生に実写化を持ち込んだ思い出

2020/10/26

 80年代に人気を博した大ヒットコミック『きまぐれオレンジ☆ロード』の作者で漫画家のまつもと泉さんが10月6日に亡くなった。享年61と、早逝の感は拭えない。

『きまぐれオレンジ☆ロード』はテレビアニメ化もされてヒットしたが、じつはまつもと先生は、中・長編はこのタイトルと『せさみ☆すとりーと』の2作で、他は短編が多い、寡作の人でもあった。

まつもと泉さん

“オシャレな漫画”として一世を風靡、そのルーツは

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 まつもとさんは富山県高岡市のご出身。同郷には『ドラえもん』(’69年)、『エスパー魔美』(’77年)の藤子・F・不二雄先生がおり、『怪物くん』(’65年)や『笑ゥ(黒ィ)せぇるすまん』(’69年)で知られる藤子不二雄A先生はお隣の氷見市ご出身だったりする。まつもとさんはもともとロックミュージシャンを目指して上京。スコアが読めずにその道を断念した経緯があり、音楽志向がとても強く、そのセンスが作品に反映されたこともヒットの要因だろう。とにかく『ストップ!! ひばりくん!』(’81年)などで有名な江口寿史作品と並んで“オシャレな漫画”として「週刊少年ジャンプ」(集英社)誌上で一世を風靡した。まつもとさん自身も、影響を受けた作家の名前に江口先生を挙げられており、ほどなくお二人は公私ともに懇意の仲となったそうだ。