控え室や宿舎生活も公開する「プライベート・コンテンツ」が……
最近では、所属事務所が作ったYouTubeチャンネルなどの場で、舞台裏の控え室の様子や宿舎生活などプライベートな空間まで公開している。グループの活動があまりない時期にもファンを退屈させず、他のグループに目を向けさせないようにするためだ。ファンにとっては“お宝”となるプライベート・コンテンツを作って提供するという戦略が取られているのだ。
ところが、この過程で、何気ない一言や表情がネット民にひっかかると、激しい非難を浴びたり、悪質な書き込みに悩まされたりする。そのたびに、アイドルは精神的に圧迫されざるを得ないのだ。
故人となった「f(x)」元メンバーのソルリ、「KARA」元メンバーのク・ハラも、自分に向けられた名も知らない人々の悪意に満ちた非難に苦しんだと伝えられ、このような悪質なコメントが自殺の主な原因になったと分析する専門家も多い。
睡眠不足にダイエット、激しい振り付けで健康悪化
さらに、アイドルは、「殺人的」とも呼ばれる過度なスケジュールによる睡眠不足、無理なダイエットや激しい振り付けによる健康悪化など、身体的な面でも大きく脅かされている。
「人気アイドルグループは、スケジュールを『秒単位』で区切るほど、殺人的な日程をこなしている。地方都市だけでなく、海外公演に行ってもトンボ返りが常識。人気が高まるほど活動時間が多くなるが、それでも時間を割いて、ダンスの練習もしなければならない。アイドルの睡眠時間は平均3~4時間しかない。まともに休めないことが、体だけでなく、メンタルにも影響を及ぼすのです」(前出・芸能専門記者)
2017年、人気オーディション番組「プロデュース101」出身の男性歌手、カン・ダニエルの日常を紹介した番組があった。そこでカン・ダニエルは、明け方の4時に起床し、翌朝の2~3時までひたすら練習に励んでいた。練習が終わると宿舎に帰って、やっと1時間余り睡眠を取った。カン・ダニエルは、この日の放送で「1日だけでいいから休みたい」と言って、多くの視聴者を驚かせた。
BTSも「ベッドで寝た覚えはあまりない」
同じ2017年、女性アイドルグループ「gugudan」のメンバー、セジョンとナヨンは、JTBCテレビの番組に出演し、「4日ぶりに1時間だけ寝られた、という時期もあった」と明かした。
BTSも、忙しいスケジュールや睡眠不足を告白したことがある。2015年、KBSのラジオ放送に出演した当時、メンバーのシュガは「ファンに会うためにブラジルなど南米に行って、ファンに会ってすぐに戻ってきた」と、殺人的なスケジュールについて話しながら、「(忙しいスケジュールで)ベッドで寝た覚えはあまりない。毎日(スケジュール中にどこかで)背を丸めて寝ている」という事実を打ち明けた。
BTSのこの辛い経験は、同年に発表したアルバム「花様年華2」に収録された「Whalien 52」という曲で、〈今は背を丸めて寝てても 夢はクジラみたいに やってくる大きな称賛が毎日僕を踊らせるんだ 自分らしく〉という歌詞に生かされた。