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リスト屋、弁護士、夜の街…情報の入手先は?

 暴力団関係者は「そもそも振り込め詐欺も、いまは闇雲に電話をかけるのではなく、電話番号のリストを使っており、リスト屋から買っている」と明かす。学校の同窓生の電話番号リストは安い方。投資詐欺の被害者、ふとんなどの高額商品の購入者などは「成功」の確率が高く、高額で取引されているという。

 そんなリストのなかに里美さんの情報があるとは考えづらい。ただ、この暴力団関係者は「金持ちを見つけて奪う、というのはよくある手口」とも語る。

 確かに平成の一時期には資産家の家に押し入り、財産を根こそぎ奪う強盗団などが続出したことがある。こうした資産家情報を提供していたのは暴力団関係者だったともいわれる。

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 暴力団は、常にこうした情報を収集している。それはクラブやスナックで羽振りのいい客であったり、地元の噂であったり。こうした「夜の街」の情報が「活用」され、振り込め詐欺の拠点を襲う強盗なども行われていた。

「金を持っていればすぐタタキ、強盗をするわけではない。知らない仲でなければ、金を借りてもいい。手っ取り早いのはタタキだけどね」(同前)

里美ゆりあYouTubeチャンネルより

 銀行窓口などで大量の現金を下ろす資産家を襲うのが、その典型的な手口だろう。行動パターンを割り出すため、徹底的に尾行したり張り込んだりする。

身近な人物に情報を吐かせることも……反社の典型的手口

 それだけではない。暴力団に協力してくれる弁護士を使う手口も使われたことがある。弁護士は職務上、正当な理由があれば訴訟の相手方などの住民票を取得することが認められている。それを正当な理由なしに悪用する場合があるのだ。

 今回の里美さんの場合はどうか。里美さんは自身のYouTubeで、頻繁にホームパーティーを開いていたことに加え、強盗団の少年が、一般には関係が知られていない里美さんの知り合いの名前を持ち出していたことに言及している。

 身近な人物を脅したり掠ったりして情報を吐き出させるのも、反社会的グループの典型的手口のひとつだ。

「来るかね? また?」

 YouTubeでそんな不安を口にした里美さんは、引っ越し先の物件探しを始めたという。