昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載サウナ人生、波乱万蒸。

2020/11/15

サウナは合計4つ。フィンランドの本物を提供

 かつての生田神社の神域に存在するその立地、そしてフィンランドのサウナの守り神トントゥが見守るここは、いわばサウナ界のパワースポット。ここは人が集う、サウナという大きな“場”なのである。

このタイプのトントゥは珍しい
 

「25年前、阪神大震災後にこの建物を建てる時に、何回もフィンランドに行きました。それで特注で大きなトントゥを作っていただいて、フィンランドから運んできました。当時サウナショップと言う店があって、そこに依頼したのです。

 施設を作るにあたって、一番最初に白い図面の上に置いたのがメインサウナなんですね。それからサウナを合計4つ置いて。スチームサウナのハマームも、今でこそたまに見かけますけれども、当時は他にはなかったと思います。塩サウナは昔から根強い人気があったので、これは欲しかった。それ以外にサウナを2つ作ったのは、本物のサウナをみなさんに提供したかったからなんです。

メディテーション効果もある高湿度のハマーム
女性エリアのドライサウナ

 フィンランドで本物のサウナがどういうものかというのを肌で感じていたので、なんとかそれを再現したかった。なので当初はサウナルームにテレビを置きたくなかったんですけども、やっぱり必要だという意見があって。

 でもスペース的には小さいサウナがもう1つ作れるということになったので、そっちにはテレビを置かず、お客さんが自分でもロウリュを楽しんでいただけるようなフィンランド式のサウナを作った。色んな考え事ができたり、自分と向き合える場所にしたかったんです。

フィンランドサウナ協会からも一目置かれている存在
フィンランドサウナには新しいストーブが元気に稼働中。セルフロウリュを満喫するポイント

父の日イベントやサウナ大学。地域の人々が集う“場”でありたい

 サウナの文化、裸の文化というのは、僕はすごくこれから大切な役割を果たすようになるんじゃないかなと思っています。フィンランドでは外国から大統領とかお偉い人が来たらサウナにお招きするという文化があるんです。裸になるというのは、武器や危険な物は何も持っていないですよと。だからこそ腹をわって話せる。

 今求められているのは、なんかそういう世界違うかなって、すごく思うんですね。会社の上司と部下であっても、親子であっても、友達同士であっても、裸になるというのは、自分を全部さらけだすというか。ひとりで入ったら自分と向き合えるし。誰かと入るとその人と向き合って、色んな事を打ち明けたり。そういう意味でこの時代にはとても大切な場所なんじゃないかなと。