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連載サウナ人生、波乱万蒸。

2020/11/15

 Sauna with attitude. 存在へのこだわりもこのサウナを唯一無二たらしめている理由だろう。そして、そのこだわりはサウナ室から食堂に至るまで随所に美学として表れている。代表的なものが浴室入り口にある足水の存在だ。

「入ってもらう時の一歩目で、足をきれいにしていただくんです。そうすれば気持ちよく浴室に入れる。今度は逆にきれいになってからの最後の一歩目もすごく大事だと思っているんですね。せっかくきれいになっているのに、なんかこうつま先で出てくるような施設ってあるじゃないですか。もうあれ台無しだと思うんですね。最後やっぱり足をきれいにして、出た一歩目のところに足の水分を取ってくれるタオル地のマットがきっちりと敷いてある。そういうことが、快適さを感じてもらうにあたってはすごく大事なんじゃないかと思い、ああいうものを設置しました」

外気浴スペース。水風呂と休憩場所が真横という完璧な動線。チェアもウッディでととのいを誘う

神戸サウナ名物「西宮サラダ」誕生秘話。台湾仕込みの「手作り肉団子」

「ビジネスホテルさんなんかを競争相手に考えていましたので、朝食もつけていかないといけない。だから、ちょろっとしたものでなくバイキングみたいにしましたし。アメニティも昔だったら形だけおいとけばいいやだったんですけども、あらゆる世代に合わせたものを、5種類か6種類置くようにしてあります。バルカンだけ1つ置いているような施設に若い子なんか行きもしないですし。そういうものもきっちり揃えないと満足のいくホスピタリティは産めない。なので儲からないですよ、ほんと儲からない(笑)。

 あとはレストランのメニューに『西宮サラダ』というのがありまして。たまたま行った知り合いの家のお母さんが作ってくれたサラダなんです。すごく素朴なんですけど、懐かしくてものすごいおいしくて。レシピを教えてもらってうちのチーフに伝えまして。『西宮のおばちゃんに教えてもらったから西宮サラダっていう名前にしたら』と言ったら、それがすごい人気商品になったんです。

素朴で昭和感のある「西宮サラダ」。ハイボールのあてに最高 ©五箇公貴

『肉団子』も手作りです。5年程前、ちょうど創立60周年の年に社員旅行で台湾へ行ったんですね。それでうちの料理長と色んなところの食べ歩きをしてて。その時食べた肉団子がおいしかったので、チーフが、60周年を機に名物料理を作りますといって、それを再現してくれたんです」

カラッカラに揚がった独特の味わいの肉団子 ©五箇公貴
肉団子には花椒塩がオススメ ©五箇公貴