寝そべれるアツアツのサウナ室。質の良い井戸水の水風呂、屋外ジャグジーのある外気浴スペース。ととのった後はキンキンに冷えたホッピーで喉を鳴らし、こってりとした甘辛いタレをまとった新鮮なもつ焼きを一口。タレのうまみを追いかけるようにやってくるモツの歯ごたえは、五感が研ぎ澄まされたサウナ後にはこの上ない口への御褒美と化す。そして、氷が解け少しまろやかになったホッピーで口腔を洗い流す。
サウナでととのい、感覚が研ぎ澄まされたあとの晩酌は、何物にも代えがたい魔力を秘めている。日本中のサウナと酒場に行き倒してきた筆者が“ととのい気分で極上サ飯を巡礼”する企画、それが日本サ飯紀行である。
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カプセルサウナには珍しい男女両用
今日は朝から重たい会議だった…。サウナの時間の事だけを考えながら、何食わぬ顔で意見をいって何とか乗り切った…。時刻は17時50分。駒込駅東口を出て徒歩30秒で年季の入った看板とかわいらしい青いロゴマークが見えてくる。サウナ・スパ協会加盟店のマークもまぶしい、由緒ある正統派ジャパニーズスタイルサウナ、それがカプセル&サウナ・ロスコだ。
昭和26年に開業の銭湯をルーツにもつロスコは、昭和47年にサウナ施設として今の施設の形になった。男女両用という珍しさもこのあたりが関係しているのかもしれない。男性のサウナ室は、10人以上は入れる広々とした空間で、都内ではかなり珍しい寝そべれるタイプのベンチを完備。温度は100度越えの昭和ストロングスタイルで、すぐに体があたたまるという、せっかちにはもってこいの下町スタイル。サウナ室の目の前にある水風呂は、銭湯時代からの地下水かけ流しタイプ。水質もやわらかく、バイブラもありかなり気持ちがいい。
サウナー達の密かな穴場
外気浴ゾーンの中央には“脅威の健康回復物質「SGE天降石」で天然水を磨いたスーパー露天風呂(ジャグジー)”があり、その周りではめいめいがまったり、ととのいタイムを過ごしている。ちなみに私はジャグジーのへりでととのうのがオススメだ。小さいながらも、サウナ・水風呂・外気浴すべてにおいて一定基準を超えて来るこの施設は、サウナーの間では密かな穴場として知られている。