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次々に“政治ツイート”する中国人メンバー

 朝鮮戦争は1950年に勃発し、1953年に休戦。中国は1950年に北朝鮮を支援するため参戦し、米韓と戦った。今年2020年の10月25日は、中国の朝鮮戦争参戦70周年の記念日にあたる。

 それに先立つ同月23日には北京の人民大会堂で記念式典が開かれ、習近平国家主席が「米軍の不敗神話を中国と北朝鮮が打ち破った」「偉大な“抗米援朝”戦争は、帝国主義の侵略と拡大を抑えた」と演説。また習国家主席は同月19日にも、「平和を守り(米韓の)侵略に立ち向かうため、“抗米援朝”と国家防衛という歴史的決定を下した」と語った。“抗米援朝”とは文字通り“アメリカに抵抗して北朝鮮を助ける”ことを指す。

朝鮮戦争をめぐるSNSへの投稿が韓国で話題になった「f(x)」の中国人メンバー、ビクトリア ©getty

 こうした発言に同調したのが、中国人K-POPアイドルたちだ。彼らは同月23日に中国版Twitterとも呼ばれるSNS“微博”で、「#義勇兵の抗米援朝出国作戦70周年記念」のハッシュタグとともに参戦70周年に対する祝いの言葉を書き込んだ。

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 2012年に男性グループEXOでデビューしたレイ、EXOを2016年に脱退して現在中国で活動中のルハンは、「歴史を記憶し、英雄たちに敬意を表しましょう!」などのコメントを投稿。また2009年に女性グループf(x)でデビューしたビクトリアも、「歴史を記憶して平和を大切にし、英雄に敬意を表しましょう!」と綴った。

「f(x)」の中国人メンバー、ビクトリアのSNSへの投稿

 そのほかのアイドルも、みな文面は大同小異だ。元女性グループI.O.Iのキョルギョン、女性グループ宇宙少女でデビューしたソンソ、ミギ、ソニ、男性グループUNIQのジョイシェン、ムンハン、イボなどが、参戦70周年を祝うコメントを残したと伝えられている。

「いま芸能活動で金儲けをしている国では?」

 いうまでもなく米韓の歴史観は、中国と真逆だ。習国家主席の発言に対して、まず米国務省のスポークスパーソンが10月24日にTwitterで「毛沢東に支援された北朝鮮が、1950年6月25日に韓国を侵略した」とツイート。続いて韓国のカン・ギョンファ外相も同月26日、「国連安保理決議でも朝鮮戦争が北朝鮮の侵略で勃発したことは明示されており、議論の終わった問題」と応酬した。