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「グリーンプラザは“聖地”」「泥酔して起きたら高尾山」懐かしの終電エピソードを振り返る

2020/11/13

genre : ライフ, 社会

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数万人が終電に乗り遅れた伝説のイベント

 普通なら終電を逃すのは個人の事情によるものだが、イベントが長引いたせいで「数万人規模の人々がいっせいに終電に乗り遅れる」という事態が起きたこともある。

「その事件が起きたのは、1994年11月20日に東京ドームで開催された女子プロレスの伝説的なビッグイベント『憧夢超女大戦』でのことでした」と話すのは、個人でネット販売を手がけるDさん(49歳、男性)だ。その日の様子をこう振り返る。

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「当時は女子プロレス人気が絶頂だった時期。そのため1日に22試合ものカードが組まれ、4万人以上の観客が詰めかけました。でも、22試合というのは1日に消化できる試合数ではない。案の定、開始時間がどんどん遅れ、このままでは終電に間に合わないと悟った観客から『早く進めろ』とブーイングが起き始めたんです」(Dさん)

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 それでも主催者は進行を早めようとせず、最終的に全試合が終わったのはなんと午前0時過ぎのこと。もっとも、0時過ぎのこの時点では、東京ドームの最寄り駅である総武線の水道橋駅、丸ノ内線の後楽園駅などでまだ電車が走っていたという。

「試合が終わったからといってすぐに電車に飛び乗れるわけではありません。数万人がドームから退場するにはものすごく時間がかかり、駅までの道のりも混雑する。おそらく半数以上の観客が終電に乗り遅れてしまったのではないでしょうか。僕らは朝まで居酒屋で飲みましたけど、ドームの敷地内で野宿した人もかなりいたようです」(Dさん)