動物が決まったら次は名前だ。真由美のパターンでは名前との連動で「真由美」→「みーしゃ」となった。他にも僕のように「子豚」→「pig」→「ぴーちゃん」と、動物のイメージ先行の名付け方でもいい。
メルヘンな付き合いを演じ楽しむ
ここまで決まったら実践に移ろう。このとき一つ気をつけていただきたいのは、あくまでも動物の「赤ちゃん」であることだ。ここで設定を大人の動物にしてしまうと、食物連鎖における捕食のイメージが表に立ち、それこそ劇画を超えた、厳しいサバンナの世界観になってしまう。あくまでもメルヘンな動物の「赤ちゃん」であることは徹底していただきたい。
この説明はもはや不要だろうが、人間も動物の赤ちゃんもヨチヨチ歩く。よって動物設定に入った後は互いにヨチヨチ歩くこととなる。ほかにも手(前足)の動きも含めた全ての所作をおぼつかない動作にしていただきたい。理由は先ほどと重複するが、赤ちゃんだからである。
赤ちゃんになることにより、当然声も高くなるし、舌ったらずにもなる。また、赤ちゃんなので、ちょっとしたことで泣くこともあるだろう。相手が泣いたら、パートナーには是非ヨシヨシをしてあげてほしい。理由は泣いているからだ。
最後に、これはルールというよりは倫理の問題になるが、パートナーが動物設定に入ったら、もう片方も自動的に動物になるよう、システムを徹底してほしい。声色を変え、ヨチヨチ歩く動物の赤ちゃんになったにもかかわらず、スカされ、普通の人間に冷静な返答をされたときの相手の胸の痛みは、常識的な大人であれば容易に想像できるだろう。片方が動物になった時点で、そこにはもう人間は存在しない、するわけがないんだという考えを徹底していただきたい。
これら最低限の倫理を守ってもらえれば、あとは各々のペアのフリー演技だ。リビングが「仲良し森」になるのか、お風呂場が「チャプチャプ湖」に変わるか、はたまた階段が「ヨイショのお山」に大変身するかもしれない。
赤ちゃんであるがゆえにケンカも起こる。お腹にキスをしてくすぐり合ったり、抱っこ抱っこギューの刑など、壮絶なファイトシーンも時には覚悟しよう。出先のスーパーなどで人目を盗み、一瞬だけ動物になり合うのもスリリングで刺激的だ。それぞれのセンスで動物の赤ちゃんを満喫してほしいと思う――。