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左胸を“ぐわしっ”と鷲掴み… 長澤まさみ33歳、「エロ路線」解禁の歴史

2020/11/17
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『セカチュー』で築いた清純派路線ゆえの低迷期

 さて、話は遡りまして、長澤まさみさんの名が一気に知れ渡ったのは今から16年前。2004年公開の純愛映画『世界の中心で、愛をさけぶ』(『セカチュー』)で、白血病を患うヒロインを熱演したことがきっかけでした。

TBSチャンネルより

『セカチュー』は興行収入85億円という大ヒットでブームを巻き起こし、良くも悪くも彼女の清純派路線を決定づけたと言っても過言ではないでしょう。事実、2005年には名作マンガの実写化映画『タッチ』でも清純派ヒロインを好演しました。

そして、いまいち振るわない低迷期へ……。

 2007年に明石家さんまさんと共演したドラマ『ハタチの恋人』(TBS系)は平均視聴率8%台前半、2009年にオダギリジョーさんと共演したドラマ『ぼくの妹』(TBS系)は平均視聴率8%を割る結果に。いずれもTBSの看板枠、日曜9時の放送だったことを考えると“不発”と言わざるを得ないでしょう。

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 2007年のドラマ『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)や、2008年のドラマ『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)では高視聴率を獲得。ですが、『ラスト・フレンズ』では共演の上野樹里さんの演技に“喰われた”と評されることも多く、この頃の長澤まさみさんへの評価はゆるやかに右肩下がりしていた印象でした。

 ある意味、長澤まさみさんは『セカチュー』(=清純派)の呪縛に囚われていたのかもしれません。そんなとき『セカチュー』と深い繋がりがある“あの映画”の“あの演技”で、自ら低迷期を脱するきっかけを作るのです。

 “あの映画”とは、2011年に公開された『モテキ』。

動画配信プラットフォーム「TELASA」より

 映画『モテキ』は、森山未來さん演じる草食系男子にモテ期が到来するという物語で、長澤まさみさんは本作で4人いるヒロインのうちのメインヒロインを担いました。長澤まさみさんと森山未來さんと言えば、そう、『セカチュー』で恋人同士を演じた二人。『モテキ』で7年ぶりの再共演を果たしたんです。